プロトタイプとは母型であり、鋳型である。
複製するための。
バックミンスター・フラーが誰にも似ていないのは
シナジェティクスの探究方法に鋳型が存在しないからだろう。
月別アーカイブ: 2018年11月
大地と根
植物が大地に根を下ろすのは
水分や養分を吸収し、呼吸し、自らを支えるためである。
それらの機能は種族全体が移動しながら維持拡大するために形成された。
植物の終の棲家は、光を求めて大地または海底の移動にある。
植物の栽培技術と引き替えに人間は自らの棲家を固定した。
ガジュマルの根
三角形化の歴史
経験される固有な関係性はパターンに対しては局所的である。
パターンはそれらの関係性に対して投影される包括性である。
トラス構造における三角形化の歴史が
球状ジオデシック構造を生んだわけではない。
ジオデシックス構造は基礎構造なしで
自立する無柱空間の構造安定性のパターンから生まれた。
SYNERGETICS RBF 1975
The geodesic spheres (D and E) exhibit “very local” dimpling as the frequency increases, suggesting much less resistance to concentrated loads but very high resistance to distributed loads.
理解(Comprehensive Mind)
理解とは99%の準備である。
知識が形成した条件反射という
巨大な重力圏から逸脱するための。
そして固有な経験の相互作用による
知的爆発力があるかないかが残りの1%だ。
学習依存という条件反射
教育は学習依存で張り巡らされている。
やがて勉強すればするほど満足する条件反射に夢中になる。
経験と絶えざる実験、そして未知への冒険からのみ理解していく
自己教育プログラムとその教師は外部には存在しない。
外部の教育システムが依存しているのは実はこの先験的な内部装置だ。。
元型に遭遇する
概念を形成する過程でも
主観的なアイデアが事物と脳との非論理的な回路へ誘導されがちになる。
思考力だけから概念モデルが生成されることなどないが
待つしかない受動的な段階に耐えながら
ついに特殊な経験を局所的な言語によって変換した瞬間に
非物質的で客観的な元型に遭遇する回路がある。
掃除効果
机の上を拭き掃除するだけで机は広くなり
床を掃除すると室内は明るくなり
エンジンルームを清掃するだけで性能が改善する気がする。
目に見えないゴミや埃が視界を狭くするのだろうか。
それとも主観的に秩序付けるだけで世界が変化するのか。
事物と脳の関係は科学的に変化しない。
自由を支配するシステム
スマホで買い物する便利さは、
個人データを無償で譲渡して管理分析されていく
近未来を見えなくさせている。
お金を使えば使うほど、
お金を儲ければ儲けるほど
自由をより制限する見えないテクノロジーを理解した時は
自由をシステムが支配する時だ。
PCが労働を軽減しなかった歴史のように。
続)概念の実験
シナジェティクスにおける物理的な相補性は
概念モデルの絶えざる実験によって発見され確立される。
例えばバックミンスター・フラーのテンセグリティ原理の発見までに
圧縮力と張力との相補性を
圧縮材と張力材に置換するための
概念モデルによる17年間の挑戦がある。
自然の観察からではない独自の自然学がある。
利己的と功利的
利害につねに動機付けられる利己主義は
自尊心や自己愛を取り戻そうとする衝動から生まれる。
モラルからそれを抑制することはできない。
万人の利益を求める功利的思考は
有用性の高い発明を生むモラルの起源。
功利的思考は現代の資本主義教育から排除される傾向にある。