月別アーカイブ: 2019年4月

ハリセンボンの構造とパターン

ハリセンボンはフグ目のハリセンボン科に分類される魚であり
フグはフグ目のフグ科。
前述のフグに関する私の記事はすべてハリセンボンの構造とパターンに関連した
自然の先験的なテンセグリティ構造への分析となる。

ハリセンボン
https://ctseibutsu.jp/ex/porcupinefish.html

鱗テンセグリティ構造

面テンセグリティ構造は魚の鱗と相似的な結合方法を採用した。
RANDOMEは、ジオデシックスな鱗の配置から安定した球状を維持できるが
完全にランダムな同型モジュールの配置からでも球状を形成できる。
魚は骨格と皮膚からだけで自らの形態を維持しているのではない。

Randome Emergency Geodesic Shelter

鱗テンセグリティ構造

魚類の鱗は真皮の内部に発達した骨格=皮骨であり
遂にハリセンボンの鱗は棘に変形した。
魚の鱗は相互に動く鱗は重く厚い鱗から軽く薄い鱗へと進化して、
面的なテンセグリティ構造を形成する。
水の抵抗を減衰させ迅速に移動し
水圧に耐えながら敵の攻撃から自身を守るために。

鱗は真皮が変化した骨格=皮骨

モジュールからなる 球状テンセグリティ構造

フグの4面体状モジュールは自然のテンセグリティ・デザインである。
バックミンスター・フラーは、8面体状のテンセグリティモジュールからなる
球状テンセグリティ構造(1982年)をデザインしている。
約40年前私はカリフォルニアでこのモデルの修復に従事したことがある。

テンセグリティは分散型の無脊椎構造

無脊椎動物や藻類などを食べるフグは脊椎動物であるが、
驚くことに連続した脊椎をほとんど形成していない。
すべてのテトラ状の骨は張力材ネットワーク上に
浮かんでいることになる。
テンセグリティ構造は大黒柱のない分散型の無脊椎構造である。

tensegrity

浮遊するテンセグリティ構造

フグ(Blowfish)の多数の棘はテトラ状の骨であり
その骨は互いに非接触な圧縮材を形成する。
フグの筋肉と皮膚はそれらを統合する連続した張力材となる。
フグは収縮拡大するテンセグリティ構造を採用している。
この構造は海表面でも安全に浮遊することができる。

不連続なテトラ状の骨モジュール

動力学的モデルにおける対称性の破れ

非対称性が均衡を破壊しているように見えるのは
あるいは、対称性が破れているように見えるのは
観察者の局所的な経験によって制限されている可能性がある。
シナジェティクスは、
反対称性と非対称性(鏡像対称性)とを明確に分離できる
動力学的なシナジェティクスモデルを1981年に発見している。

反対称性の動くシナジェティクスモデル