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全天候性のテンセグリティシェルター

生活費を稼ぐためにシナジェティクスを諦めた若者を
これまでたくさん見てきた。
生活費を稼ぐための思考過程に
宇宙が関与しないリアリティの方を選ぶことによって
再びより矯正されていく場合を。

宇宙が関与するシナジェティクスの探究には、
家賃を不要とする耐久性のある全天候性のテンセグリティシェルターが必要だ。

エネルギーと水と食料を自律的にする自動気象バイオスフィアによって、
Cosmic Fishingに最適なシェルターになるだろう。

電磁波暖房

エアコンの暖房は、空気の温度上昇によるが、
太陽光の暖かさは遠赤外線(電磁波)による。

シェルター内部の温度が10度以下でも
透明な被膜を太陽光が通過するかぎり、暖房は不要になる。
木炭(炭素)やセラミックなどもその発生量が大きい。
(ミニ・バイオスフィア内では、電磁波の波長を変えれば、
通信や調理、そして暖房もできる。)

夕日が射さない湿度の高い山間部のシェルター内部の蓄熱には
表面をつや消しブラックで塗装した河原の丸石が身近で経済的である。
それらは、放射冷却で急冷していく夜間に効果的に発熱する。

冬期は外気の絶対湿度が少ないので、安価な熱交換機によって換気すれば、
内部の水蒸気量を減らして結露を防ぐ効果もある。

人間はこれらの原理を発見し利用する段階にいるので、
シェルターの基本機能は、現在の住宅よりも太陽系に適応できる。

基礎的知識

シナジェティクスは、
基礎や土台、拠り所という概念にまったく期待しない。
宇宙の構造の起源に、基礎は存在しないから。

足下を固めるとか、基礎的、根本的といった
<基礎>に纏わる政治的経済的言語に現実性はない。

シナジェティクスを理解する基礎的知識は存在しない。
シナジェティクスは自然を発見した結果だから。

シナジェティクスに基本も応用も存在しない。

SYNERGETICS Figs. 267.02A-B Observer as Tetrasystem

直観は基礎と応用に分化できない。

非平行に共鳴するテンセグリティ

原子核を構成する核子は平行に並ぶことはない。
つねにスピンしているから。

3組の平行な圧縮材からなるテンセグリティも
構造を形成するために一瞬たりとも平行に並ぶことはない。
つねに共鳴しているから。

一筆書きの張力ネットワークから構成された
正20面体に接近するテンセグリティには特に強い張力が必要だ。

張力がつねに一筆書きで連続する<6struts-tensegrity>は、
バックミンスター・フラー研究所で1981年に梶川泰司によって発明された。

シナジェティクス研究所制作
構造デザイン 梶川泰司

エネルギー変換効率

建築の単位体積あたりの重量・エネルギーコストは、
植物の有機体システムを構成する細胞単位あたりのそれらと比較されたことがない。
さらにエンジンの燃費は、決して植物の光エネルギー変換効率と比較されない。

テンセグリティ・シェルターは
植物の光エネルギー変換効率と初めて比較できる生存空間のためのテクノロジーだ。

新たなテンセグリティ原理

私は「張力は、増大する半径に対する円弧または弦に影響し、
圧縮力は、減少する半径に対する円弧または弦に関与する」新たな機能を発見し、
2008年8月に直径6.5mのテンセグリティシェルターで証明した。

張力材と円弧状の圧縮材がともに連続する構造とパターンは
バックミンスター・フラーのテンセグリティでは概念化されていなかった。

新たなテンセグリティ原理の実験のために、圧縮材も張力材も共にカーボン材が使用された。
基礎部を不要とする半球状で自律する構造の総重量は、30キロ未満であった。

構造デザイン 梶川泰司
制作 シナジェティクス研究所

直径6.5mのテンセグリティシェルターは、
2008年11月、ノースフェイス40周年を記念して青山の<スパイラル>で展示された。

共鳴テンセグリティ( Resonated Tensegrity)

あらゆる原子核は共振している。
共鳴テンセグリティは、構造安定性を映し出すミクロとマクロを繋ぐ鏡である。

原子核が外部からの共鳴電磁波を吸収して飽和するように
テンセグリティは、外力を分散しながら
構造自体をより強化するように共鳴する。

共鳴しない楽器が楽器ではないように
風で共鳴しないテンセグリティは構造ではない。

テンセグリティの美しい共鳴音は、
風と張力材だけではなく圧縮材との相互作用の結果である。

自律的テンセグリティは、浮遊するバイオスフィアと共鳴する。

共振する2点間距離

圧縮材が互いに非接触に形成されたテンセグリティモデルにおいて
隣合う圧縮材の端部が形成する2点間距離(=張力材の長さ)を
意図的に縮小させると、全体の球状の張力が増大する。
同時に、テンセグリティモデルの半径も増大する。

一見、常識に反したこの現象を再現できるテンセグリティモデルは稀だ。
テンセグリティを自律させる張力がまだ十分でないからだ。

床に落下させてもバスケットボールのように
バウンドしても破裂しないテンセグリティには、
張力材の長さの精度とネットワークパターンが関与する。

振動は、地震によって人々に恐怖を与え続けたきたが
テンセグリティの張力材の2点間距離は、共振によって持続し維持される。