テンセグリティ」カテゴリーアーカイブ

実践

だれでも興味をもって学んで
経験したことはけっして忘れない。
しかし、実践することはもっとも難しい。
理解するのはずっと後だから。

乗りかけた船

船は最初の浮かぶシェルターだった。
ある種の人間は乗りかけた船を降りたがる。
私がテンセグリティシェルターに
ためらわず乗ってしまったのは1995年だった。
その直径11mのテンセグリティシェルターは
フォールディング可能だった。
いつでも降りられるように。

テンセグリティ・シェルター(生活器)

裏庭の樹木の木陰に小さなバイオスフィアは
係留しているだけでエネルギーを受容できる。
無管、無柱、無線、無軌道
という4つの固定化からの自由こそ
モバイル基地のデフォルトだ。
このまま浮遊するのもいいだろう。
太陽系ではこの光合成体にだれも課金できない。

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■デザインサイエンス講座開講予定(2010年度)  テンセグリティプロジェクト

家出用ハウス

節分が過ぎると確かに春めいてきた。
アルミ合金のメカニカルウィングは快適だ。
移動する家に住めば、家出する必要がない。
カトリーナハウスとは
災害で家を失った人が快適に暮らせるキャンピングカーや
トレーラーハウスのことであるが、
地震や恐慌で失う前に家出する方が経済的である。
家出用ハウスのデザインはキャンピングカーではなく
テンセグリティが最適だ。
農業しない人もする人も、
どうして移動しなくなったのだろうか。
農業用ハウスできっと野菜の方が引っ越ししたからだ。
テンセグリティシェルターの内部には
グリーンハウスがある。
私は内部にいながら、外部にいる。

安全な翼

除草剤を売るためには
雑草という概念が必要だ。
間違った構造を売るためには
耐震や免震という概念が必要だ。
飛行機には最初から乱気流にも耐える翼がある。
移動するためには、
安全装置を翼に付加する構造デザインでは解決しない。
テンセグリティには全方向の外力を
分散する球状ネットワークがある。
構造要素として不可欠な球状ネットワークこそ
もっとも軽い安全装置である。

ネオ構造主義

過剰な豊かさと拡大する貧困、
そして、でたらめなこの世界の仕組みを対象化するとき、
政治家や経済学者たちは<経済構造>と呼んできた。
構造とは、あらかじめ破壊や混乱を未然に回避するシステムのことである。
テンセグリティのように。

真実

テンセグリティシステムは、
破滅的な破壊を回避するために
局所的な破壊へと分散する。
それゆえに、
テンセグリティシステムは真実を隠蔽しない。
より重要な部分に真実は存在しないから。