既製品を使えとバックミンスター・フラーは言った。
われわれの身体も92の元素という既製品でできている。
レゴと異なるのは、その構成部品が絶えず外部の既製品と
交換されていることだ。
テンセグリティ・シェルターのデザインが
既製品のアセンブルに成功すれば、
すべての構成部品は絶えず外部の既製品と
交換できるだろう。
これはもっとも効果的な自然資本主義である。
「テンセグリティ」カテゴリーアーカイブ
反デザイン
圧縮力と張力という純粋な2つの機能に分離するまで、
構造は発見されなかった。
統合は2つの機能をハイブリッドにすることではない。
純粋な2つの機能の分離を解消することではない。
分割し、分離すればするほど、
より統合されるシステムが最初にデザインされている。
これは工学ではない。
まして人間のデザインではない。
純粋な構造はつねにテンセグリティとして発見されてきた。
危険な彫刻
スネルソンはついに本質的なテンセグリティを制作しなかった。
テンセグリティは彫刻には最適であるが、
建築の構造体としては危険な構造体であると考えている。
つまり、彼の彫刻は危険なミニチュアの構造だ。
張力が統合する完全無欠な存在は、
美しい錆びない彫刻でも構わないが
美術館の庭から眺めるだけでは退屈だ。
もっとも物質を使わないで
もっとも大きな空間を覆うことができるテンセグリティは
太陽系のような大きすぎて見えない動く彫刻だ。
しかも永遠に浮遊している。
これ以上安全な彫刻があるだろうか。
テンセグリティは、構造の作用力を最適化した、
本質的にリダンダンシーのない集合体である。
自然を模倣する
シナジェティクスは自然に学ぶ。
そして、テンセグリティを発見した
しかし、「自然を模倣する」ことからではなかった。
自然の原理が、形態の観察から発見されるなら、
細胞がテンセグリティであることは、
19世紀までの顕微鏡の機能から発見できただろう。
生物学は20世紀の電子顕微鏡でもテンセグリティ構造を観察できなかった。
テンセグリティ原理を学習して
細胞を顕微鏡で見ると、細胞は実際テンセグリティとして観察できる。
生物学の構造の定義は1世紀以上も細胞壁にあった。
(たとえば人体は1兆個の小さな柔らかい壁の集積として定義された。
城壁が国家の閉じた領土を表すように。)
異なった現実は最小限の構造単位に対する概念の違いから発生する。
概念は観察できない。
「自然を模倣できる」のは形態のみである。
自然という一つの現実のほとんどは、未知である。
それゆえに、シナジェティクスは自然に学ぶ。
テンセグリティ
技術的に無知であればあるほど、適用する安全係数は大きくなる。
直径に関わらず、ジオデシック・ドームが経済的にデザインされることは稀である。
2×4材を使った合板ベニヤなどのドームハウスも
安価といわれる竹ドームにもアルミパイプドームにも
過剰な物質が使用されている。
もっと実験が必要だ。
つまりテンセグリティを学ばなければならない。
テンセグリティは理論でもオブジェでもない。
生き延びる道具だ。
半球テンセグリティ構造
全球のテンセグリティがオブジェとして美しいのは自慢にはならない。
テンセグリティ構造を正しく設計すると、
半分切除した半球状のテンセグリティモデルでも、
床に落下させるとボールのように
バンドすることが確認できる。
(構造を扱うと自負する専門家にとっては、
テンセグリティ構造から数本のテンション材が切れた状態以上の
破壊を意味しているので、この実験は彼らの常識の破壊実験に変貌する。)
経済的に自立する半球のテンセグリティ・ジオデシック構造が美しければ、
それは原理の統合性の美しさだ。
ただし、人間がつくり出すどんなデザインも到達できなかった美だ。 Y.K
テンセグリティ
テンセグリティを棒と紐から構成された
危険な構造という人がいる。
それは、人間を「血の入った袋」というようなものである。
構造から重さのないシナジーは除外されたままだ。 Y.K
浮力
テンセグリティ球はテンション材の切断よりも風を恐れる。
どこかに飛んでいくからだ。木の葉のように。
直径11mの皮膜のない250キログラムのテンセグリティドームでさえ
5月のそよ風だけで5m移動する。
皮膜を取り付けたテンセグリティドームには、もちろん浮力が発生する。
テンセグリティドームは、風よりも太陽光を恐れる。
大気圏へと浮遊するからだ。
テンセグリティドームの設計者は船体の強度と浮力計算をしなければならない。
外洋航路の軌道をトレースするためのエンジンは、太陽光と風だ。
想像力とテクノロジーは共にワイヤレスである。
1995年、私はこの経験から浮遊都市の現実性を理解した。
21世紀の大気圏は、モバイラーの最後の自由都市だ。
そして、はじめてゆっくりお茶でも飲もう。 Y.K
テンセグリティ教育
バックミンスター・フラーのことはわからないけど、テンセグリティのことは自発的に理解しようとする人たちとワークショップを始めた。これはフラーが望んでいたことだ。
あらゆる教育システムに対してアンチテーゼを突きつけた非連続の連続する真の原子核モデルは、半世紀もの懐胎期間を経て、動き出した。
動くものが動くものに作用する動的な宇宙観の理解は、全方位に関連する。 Y.K
建築家
今の建築家がテンセグリティ構造をなかなか理解できないのは嬉しいことである。
彼らの脳細胞を含めてすでにテンセグリティ細胞から成り立っているのだから。 Y.K