テンセグリティのことはわからないけど、バックミンスター・フラーのことはよくわかっていると思っている。 Y.K
「テンセグリティ」カテゴリーアーカイブ
テンセグリティ
宇宙の構造の本質にどうして無関心でいられようか。
人間のデザインしたあらゆる構造は、テンセグリティによって陳腐化されている。 Y.K
テンセグリティ・ジョイント
動くテンセグリティ構造体の更なる軽量化のために
引張部材に損傷を与えることなく
一定の張力が常に調節可能で
圧縮部材との動的な結合関係を維持する機能を備えた
テンセグリティ・ジョイントが必要である。
同時に耐久性があり
経済的に量産化可能なデザインが不可欠である。
これは1995年来の私の課題である。 Y.K
エフェメラリゼーション
巨大な飛行船は大地へゆっくりと着陸できる。
直径が数キロメートルのテンセグリティ・ジオデシック球が着陸するときも、
浮遊しているタンポポが着地するようにしか見えないだろう。
大きさに対する経済学とエンジニアリングは未だに自由化されていない。 Y.K
形態デザイン
自然を模倣する産業が形態デザインに注目する場合、
自然はつねにローコストすぎるだろう。
自然は、構造を完全にするために張力を導入するからだ。 Y.K
斥力テンセグリティ
平行な3組のテンセグリティの圧縮材の内、
一組の距離を縮めると張力材の弦はより緊張する。
同じ一組の距離を広げると張力材の弦はより緊張する。
これは2点間距離を縮めると他の2点間距離が拡がるという斥力モデルの別の証明である。
テンセグリティは、構造に対するアンチテーゼである。
テンセグリティ原理の懐胎期間は加速しない。
なぜならこれまでのすべての「構造」を陳腐化するしかないからである。
生物学の細胞理論は細胞テンセグリティ理論で塗り替えられたように。 Y.K
粘菌テンセグリティ
粘菌は、葉緑体がなく、朽木や落葉、あるいは糞、高等植物や淡水・海水中の藻類などで生活している。
「粘菌は不断はバラバラに暮らしているが、その一体に食料が不足してくると、何らかの通信手段で一個所に集まり、アメーバー状の一個体となり、やがて移動しはじめる」。
細胞壁のない変形体の形態形成場こそ、テンセグリティ構造体が関与している。
構成要素は不連続である。
分断された構成要素自体には生命の機能は発見されないが、連続的なネットワークというテンショナルな働きが一個体の生物そのものを形成する。
その場合、細胞膜という表面を必要としない。
構造に表面は関与しないからである。 Y.K
圧縮としての含水率
<すべての構造体は、張力と圧縮力が拮抗した相互作用からなっている。RBF>
昆虫の平均的な身体の構造と組織は、体積も重量も五〇%以上が水分である。
人間の構造体は、六〇%以上が水分である。
血管や内蔵を完全に満たしている液体は、圧縮することができない。
この水は圧縮することはできないが柔軟で、自らの荷重を張力によって三重結合の容器システムの表面全体に均等に分散させている。
特殊な訓練を経たフリー・ダイビングで150m以上も潜れるのは、肋骨の強度ではなく細胞を含む容器システム全体の圧縮力である。人間の構造体の含水率に関係する。
地球人は、含水率からみれば、昆虫よりも水力学的にデザインされたテクノロジーなのである。カブトムシが150m潜水すると完全に潰れてしまうだろう。 Y.K
さらにトポロジーデザインの終焉
「+チームガイスト」でさえ、ぎっしり詰め込まれた空気の塊、つまり
気体が表皮を中心から外側の全方向に向かって押している固体状の球面を想定している。
連続的な表皮でできた閉じた球面は、外部に出ていくことができない気体の圧力で丸い形状を保持できると捉えている。
これは悪しき固体物理学である。
サッカーボールは人間が血の詰まったただの袋ではないように空気の入った堅い袋ではないのだ。
情報に関してネットワークが存在するようにサッカーボールも動的なエネルギー・ネットワークが存在する。
選手から強烈なシュートの打撃を受けても内部の気体分子が外部に逃れられないほど空気の分子よりも微細な穴のあるネットワークが空気の分子と相互作用した結果がほぼ球体に見えるのである。
選手がシュートする前から「固体」ではない。
見えないネットワークはつねに振動しているのである。
サッカーボールは、ゴールのネットのように穴だらけであるばかりでなく、完全に不連続である。
連続的な「固体」が存在しないように連続的な「皮膜」も存在しない。
このことを理解したらならば、サッカーボールの「皮膜」デザインの流行は終わり、穴だらけのテンセグリティ球としての構造デザインに移行するにちがいない。
テンセグリティのように内部の空洞が見えるサッカーボールが究極のサッカーボールだ。
そのとき、再び5回対称性は復活するだろう。これは外力分散システムの問題だ。 Y.K
見えないTRIMTAB
テンセグリティモデルにおいて2点間距離を縮小させると球の直径は拡大されるという原理からテンセグリティ構造では全体の張力を高めたい場合は一カ所の張力を高めるだけで十分である。
これはわれわれの常識に反する現象の一つである。
私は1995年に発見したこの原理から各張力材の張力調節に
複数のターンバックルを使用しないデザインを構造デザインに応用している。
バックミンスター・フラーの初期のテンセグリティ構造を注意深く見ると、
複数のターンバックルが使用されていることがわかるだろう。
ターンバックルを使用するデザインはかなりの重量増加になる。
スネルソンのテンセグリティ彫刻が肉厚のある太いステンレスパイプを使用している理由は、
屋外での耐久性と彼の美的な嗜好からであるが、
ターンバックルを各ステンレスパイプの内部に収納するデザインを工学的に
かつ美的に解決するためである。
結果的に各パイプの端部はすべて閉じられたデザインとなる。
テンセグリティ構造の理解とそれに付随するデザインは、
こうしたジョイントの設計を見れば十分である。
つまりテンセグリティデザインとは軽量化そのものである。
ステンレスワイヤーの伸び率は炭素繊維をはるかに超えているにもかかわらず
彼は重量増加を気にしない。
ステンレスワイヤーはフラーの初期のテンセグリティでは先端的な素材であったが、
素材革命と連動する構造デザインから見れば、
スネルソンは少なくとも芸術のために軽量化を放棄している。
しかし、テンセグリティは彫刻ではない。
テンセグリティ構造全体が本質的で効果的な
ターンバックル機能を持っている。
テンセグリティは本質的にジョイントレスである。
これは見えないTRIMTABである。 Y.K