風はどこにでもありふれているが、
今、風が吹いているとき、
吹いていない場所が地球上で少なくとも2カ所存在する。
オーロラはどこにでも現れないが、
北極でオーロラが見えるとき、同時に南極でも見えることが発見された。
風とオーロラにはトポロジーの極性原理が支配している。 Y.K
「テンセグリティ」カテゴリーアーカイブ
デザイン・プロセス
惑星地球の基本アーキテクチャは、マクロ構造をミクロ構造から造るデザイン・プロセスである。見えない構造から見える建造物へ変換するプロセスである。
太陽系アーキテクチャのプロセスにも、重力という見えない非物質的な張力によって、テンセグリティ構造が介在する。 Y.K
エフェメラリゼーション
エフェメラリゼーションは、物質とエネルギーに深く介在している超物質的な
アンチ・リダンダンシーである。 Y.K
リダンダンシー
テンセグリティ構造は原子核構造モデルから銀河系モデルを通底する普遍性を備えている。振動しない構造システムは銀河系では存続できないので、テンセグリティ構造は外力を振動によって、システム内で分散し、限界を超えた分散に対しては、部分的な破壊で衝撃を吸収してシステムの補償作用でバックアップする。テンセグリティ構造においては、リダンダンシー、すなわち想定される最低限の負荷と要求される最低限の性能に対し、それより多め、大きめに設計されたこれまでの「余裕」や「余地」は、反転する。
より大きくデザインする場合、テンセグリティ構造の構成要素はより細く、軽くデザインされる。原子核構造にリダンダンシーが極小化される理由に、より接近する。
テンセグリティ構造では、リダンダンシーはついに非物質化されようとしている。 Y.K
〈免震構造〉と〈耐震構造〉を超えて
〈免震構造〉とは建物の基礎部分に特殊なゴム層などを入れて地盤と絶縁し、地震の震動が地盤から建物に伝わるのを防ぐ仕組みであり、建物を丈夫にする耐震構造とは発想が異なる。〈免震構造〉は非固体的なメカニズムであるが、〈耐震構造〉はより固体的なメカニズムである。
大陸は、時計の長針のように目に見えない速度で常に移動している以上、非固体的なメカニズムでさえ大地と絶縁することは不可能である。
大地からの自律度という概念が、〈免震構造〉にも〈耐震構造〉にも欠けている。
大地からの自律度がもっとも高く安定した構造システムは、テンセグリティ構造である。 Y.K
構造システム
人間が物質と確認するものは、すべて構造システムである。
すべての構造は原子から成る。
その原子は、モノでない。
純粋な原理で発生するエネルギー事象である。
したがって、すべての構造は常にダイナミックで決して静的でない。
言い換えれば、すべての構造は、特例な場合の複合体による密接なシナジェティックな相互作用の結果である。
デザインとは、すべての構成要素が思慮深く秩序づけられるように構成する行為を意味する。すべての構造システムはデザインされたエネルギー事象のパターンを備えている。 Y.K
放射と重力
宇宙の放射(圧縮力)の総エネルギー量と宇宙の重力(張力)の総エネルギー量は、それぞれ等しいが、重力と放射は異なる作用をする。それらのパターンは異なっている。このパターンを視覚化できることが発見された。
テンセグリティ構造では、放射としての物質は不連続なストラット(圧縮材)によって、そして重力は、構造を統一する連続的な引張材のネットワークによってモデル化される。これら2つの異なった要素をひとつの統一場へと調和させ、相補性的に調和する物理的モデルは他に存在しない。
アインシュタインは、1953年にプリンストン大学構内でこのモデルを見て感激した。物理学者として最初に自然の相互作用を内在させた純粋な原子核モデルとして理解した瞬間である。 Y.K
重力と張力
重力を悪く思っている宇宙パイロットは多い。
張力を頼りなく思っている建築家は多い。
重力と張力は閉じたシステムであることを知らない科学者はもっと多い。
テンセグリティ構造が発見されて半世紀が経過した現在、
放射と重力を調和させるあらゆる実験が待ち遠しい。 Y.K
水力学
エチゼンクラゲは重さ約200キロ、傘の部分の直径は約1.5〜2メートルにもなる。このクラゲの95%以上は水分であるが、結晶形で最高度に固定できる凝縮力を発揮する三重結合によって与えられていないので、擬似無重力の水中では自らの荷重を容器システムの表面全体に均等に分散させられるが、水面から出すと自重で破壊されていしまうほどに、非圧縮的である。水中以外では張力機能が不足している。クジラも陸に打ち上げられると容器システムはひどく損傷する。
Y.K
動的なテンセグリティ構造
枯れてしまった樹木の枝が、少ない積雪荷重で簡単に折れるのは、導管に水分が満たされていないからである。生きた樹木における導管とその内部の水分は、自らの荷重を張力によって三重結合の樹木システムの表面全体に均等に分散させている。
同様に生きた人間の血管と血液は、テンセグリティ構造を担っている。デザインされた容器を完全に満たしている液体は、圧縮することができないからである。血管は長さは約10万Km、酸素と栄養を運ぶ動脈、二酸化炭素と老廃物を運ぶ静脈、毛細血管の3つに分けられ、1分以内で全身を一巡する。心臓は1日に10トンもの大量の血液を送り出す。血液循環の原動力は心臓ポンプであり、これに動脈では動脈自体の拡張・収縮、また静脈では筋肉の拡張・収縮のポンプ作用が補助している。
人間の骨格と筋肉、そして細胞だけがテンセグリティ構造ではない。
血管と血液は、動的で水力学的なテンセグリティ構造である。
参照
Y.K