自己愛は自分の一部であるから、
自己を冷静に外から見つめるということは困難だ。
見る行為を妨げる存在がどうして愛と呼ばれるのだろうか。
「ベクトル」カテゴリーアーカイブ
一般化(generalization)
金銭を稼ぐ方法は教育できるが
方法への興味は
けっして金銭を稼がない。
あるいは、
欲望を排除しなければ
方法は一般化できない。
生物学的雑用
生物学で分類できない植物は存在しないが
雑草には名前がない。
名前のある価値のない職業は無数にあるが
雑用には名前がない。
エコロジーシステムから雑草を除外できないように
人類の雑用には無数の創造性が潜んでいる。
映画の中の
こどもと酔っぱらいは嘘をつかない役割がある。
しかし、観客が本当のことを知っているわけでもない。
思考の沈黙
自己欺瞞に陥りやすい明日への期待から逃亡し
外部から与えられた秩序に代理させるよりも
手っ取り早く昨日までの思考方法に
終止符を打つことを知りながら
それができないのは
内部の混乱と空洞化に耐えなくてはならないからだ。
思考の沈黙は自己欺瞞の裏返しである。
続)作業仮説
自然は異なった物質が互いに結合する時
分子間引力を利用する。
しかし、電磁気学的原理が発見される前に
ライト兄弟は複翼機の軽量化と剛性化のために
すでに張力材を使用している。
放射エネルギー
弱者の自己嫌悪ほど危険な放射エネルギーはないが
とりわけ彼らを蝕んでいるのは
自己嫌悪ではなく、21世紀の若者が身につけた
固有な消費と自己愛である。
群れから適度な距離をおきながらモバイラーを自認する若者ほど
かつての極地探検家以上に軽量グッズで武装しているが
彼らが課金システムを攻撃することはないだろう。
消費システムは退廃するための自己愛を増幅するばかりである。
21世紀の高度な資本主義社会の放射エネルギーは
もはや核兵器を必要としない。
観測記録
観測史上最大の記録的な豪雨によって
浸水した地域のほとんどは
農業に適していたことを証明している。
本来は森林から溶け出した腐葉土を
受け取る場所であった。
豪雨は大地震や津波よりも
頻度が高いという観測記録にしたがって
住む場所と職業を選ばなければならない。
忙しい人
観察したり理解するための時間を持てない大人は
自分のことで忙しいからではなく
自己中心的だから
忙しい時間しか持たないのである。
個別性
他者との違いは個別性を生む。
独創性を生むのはこの個別性ではない。
個別性を超えた段階にある。
言い換えれば、自分のことはどうでもいいのである。