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科学的な統計

「電気エネルギーの消費が増加すると少子化になる」
この統計学は、バックミンスター・フラーが
1970年代のワールドゲームで発見している。
(『クリティカルパス』バックミンスター・フラー著 
梶川泰司 訳 白揚社 1998)
「女性の就労率(労働力率)が高くなると女性が子どもを産むようになる」
(武田邦彦 少子化問題での役所のトリック)
最近は、非科学的な統計が
国家によってしばしば流布されている。

逃亡的知性

知識の大半は
危機から逃亡する言い分けのために用意される。
そこから逃れた僅かな知識が知性ではない。
知性は予測的な能力にある。

捨てられるモノと機能について

いま日本中から使われなくなった
しかし、優れたボール盤や旋盤が
より増加している話を友人から聞いた。
捨てられるモノの機能は
ほとんどは壊れていない。
捨てるとは所有権の放棄であるが
機能の飛躍的な移動の始まりでもある。
修理するボール盤や旋盤の道具だけで
ガレージでも耐久性30年のシェルターが作れるが
そのシェルター自体は
まだ捨てるほど製造されていない。
無数の個人が自由により移動するためには
最初のシェルターの所有権が譲渡され
あるいは放棄されなければならない。
世界中の中古車が
新車よりも移動しているように。

鏡について

両親にとって良い子どもは
自分の鏡だ。
自分の選択を反映するから。
良い教師にとって子どもは鏡だ。
子どもから教えられるから。
しかし、学ぶことに鏡は不用だ。
学ぶとはすべての鏡という等価物の反射作用の破壊から始まる。
ーーーたとえ破壊だけに終わったとしても。

想像力について

想像力は
経験を対象化する思考過程自体を思考する
人間の原始的なコミュニケーションを形成する。
想像力が不足すると
他者とのコミュニケーションも不足する。

続)反定住時代

反定住時代の住宅ローン30年間は
不適切である。
都市部では日本版サブプライムがはじまる。
そして、高齢化と過疎化の後、
ほとんどの住宅の所有者が
そこに住んでいない時代がはじまる。

降雪

数百万年間も継続してきた生存のための
筋肉労働から離脱しはじめて
僅か100年程度しか経過していないが
人間の筋肉労働エネルギーは
全地球の産業社会で使用する
全エネルギーの 0.1%にも満たない。
しかも、今日のような降雪時の
筋肉労働エネルギーの大半は
通勤と通学に費やされる。

デフォルトについて

他者になろうとする試みがつねに失敗するように
自己がデザインされているのは
他者の存在の気づきによってのみ
自己が存在する相補性にあるとしたら
それは誰もが経験する
最初の神秘かもしれない。
存在の出荷状態(デフォルト)には
神秘という省略時選択がある。

仮定法過去完了について

現実を否定しても
現実は変わらない。
現実はつねに遅れてやってくるからだ。
現実を超えて
既知なる過去とその蓄積を変えない限り
現実は未来の幻想で包まれたままだ。

面について

マルチな人間や
多面的な思考方法が
空虚に感じるのはなぜだろうか。
面とは
稜線で囲まれた開口部である。
それゆえに
<無>であり
<有>になり得ないのは
ひたすら、<無>を閉ざしている
空間だからかもしれない。