最初のシェルターは、
自然が与えた洞窟であった。
現代の大部分の住居も洞窟のように固い。
もし、現在の航空機がそのような固さを求めたならば、
翼は最初の乱気流によってもぎ取られるだろう。
空港で待機した航空機ほど
安全な洞窟はない。
構造の内部に住む人の幸福を願うならば、
もっとも安全な洞窟は
航空機や自動車のように
移動可能な軽量シェルターになるだろう。
21世紀の建築専門家がデザインする
30年ローンでしか達成できない洞窟は、
適切な大気圏内のテクノロジーとは言えないだろう。
それは金利を稼ぐ金融テクノロジーの産物でしかない。
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テンセグリティ・シェルター
統合する張力はつねに物質の表面に現れる。
バイオスフィアもまた大気圏という薄い流体皮膜の張力に包まれている。
われわれの惑星はすでに見えない重力(=断面積がゼロの張力材)によって
太陽系に浮かんでいる。
近い将来、われわれの住居も張力によって包まれているだろう。
住居は無数の天体の一つだ。
人工物
重力は、
腐敗しない
重さのない
最初の張力材である。
張力材である筋肉は、
死と共に腐敗していくが、
骨は、
石のように大地に埋めても存続するから
圧縮材として考えられてきた。
そして、鳥の翼の骨は
骨を中空にして軽量化したうえ,
強い気流に耐えて飛ぶために
テンセグリティ構造を利用する。
自然はジェット機の主翼よりもはやくテクノロジーを利用している。
癒合・減少(=do more with less)による軽量化は
意図されたものである。
Do More with Less
シェルターはこれまで戦地や極地以外では効果的ではなかったが
宇宙が要求するもっとも単純で高度なシェルターの再生デザイン
こそは、21世紀の最大の do more with lessである。
このシェルターの構造システムは圧縮材も張力材も
宇宙でもっとも豊富な元素の一つである炭素(4番目)から形成されている。
なぜなら家を買わなければならないのは、この惑星では人間だけだからだ。
Do More with Lessとは、20世紀の産業社会を生き延びた
希有な詩人の方法論であった。
人々はいまそれをエコロジーと呼びはじめている。
反・地産地消
インフルエンザは、ジェット気流に乗って、
短時間で地球を周回できる。
球状ネットワークで生存ための知性は、
情報量よりも移動距離に比例すると考えてよい。
バイオスフィア内部だけで
情報とエネルギー、物質を地産地消していたら
すべての生命体は絶滅するだろう。
空気や水でさえ周回している。
移動するには包括的なテクノロジーが必要だ。
破綻
経済的な破綻は同じパターンを繰り返すが、
シナリオ宇宙の統合性は、
けっして同じ反復はしない。
富は、統合のパターンにある。
宇宙の経済に破綻は存在しない。
戦争エコロジー
この地球上の生命に人類が含まれる以前にも
テクノロジーは存在した。
最初のテクノロジーは、
人間が植物と動物を
食べられるように変換することであった。
しかし、現代のテクノロジーのほとんどは最初に戦争に使われている。
この変換は、食料やエネルギーではなく
無知と恐怖心を必要とする。
水と油
石油が最初に値上がりした。
次にパンもミルクも値上がりした。
それらは食べられない石油から作られているからだ。
ところで、その石油は太陽が
遠隔操作でこしらえたものだ。
原油を値上げしていくらお金を儲けても
太陽は買えない。
石油という火の神は、酸素を必要とする燃焼の神だが、
太陽は巨大な核融合炉の神である。
所詮、水(素)と油だ。
ミツバチ
巣分かれした日本ミツバチの塊が
裏庭にやってきて、あっという間にあかげらが開けた板塀の穴を利用して
巣作りを始めたのは1ヶ月前だ。
仕事場の窓から見るかぎり、晴れた湿気のあまりない快適な日にしか
彼らは、巣からは飛び立たない。
彼らは、けっして働き蜂のように働いていない。
動物は気候に合わせて行動のパターンを変えているが、
天気のいい日は、より効果的に行動している。
天気のいい日は、実に少ないからだ。
天気に関して、彼らはギャンブルをしない。
比率
氷河が溶けるのは、大気中の間違った化学的燃焼の結果であるが、
山が崩落するのは、間違った生物学的植生の結果である。
杉の過剰な植林で、多くのダムは危険な土石の貯蔵庫になっている。
針葉樹の人工林の分布を変えるだけで、
僅か半世紀で、魚も海草もなくなったように、
バイオスフィアには固有の比率が存在する。
比率を人為的に変更すれば、氷河も山脈も溶け始める。
バイオスフィアには固体は存在しない。