バター、小麦粉、ガソリン、そして電気代も値上したのは、
原油高が原因である。
これまで、バター、小麦粉を値上げしても、
原油高にはならないという前提があった。
しかし、トウモロコシから事態は変わったのだ。
トウモロコシを値上げするとガソリンも値上げできる。
あらゆる植物はエネルギーに変換可能だからである。
食料が生産過剰だからでもある。
そして、すべての過剰をつくり出すのも
過剰を不足に変換するのもテクノロジーであるが、
重要なことは、エネルギーは増えも減りもしない
という宇宙原理である。
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クリスマスプレゼント
この村では人間より熊の個体数の方が多い。
食料が十分にないからだろう。
この頃、ツキノワグマは冬眠しない。
暇つぶしに仲間を連れて
メタセコイアの巨樹に付けた
クリスマスツリーの電飾を見に来るだろう。
その巨樹に向かって
雪上の熊の足跡は一列だ。
しかも何列も放射状に描いている。
村人はこのこのすばらしいクリスマスプレゼントをしらない。
彼らこそ、寒い夜は寝てばかりいるから。 Y.K
フリーガン宇宙
今年の初霜は遅い。
台風も来なかったので、擦れて傷つかなかった広葉樹の森の
紅葉はいつもよりも長くすばらしい。
この冬は、コタツでミカンを食べながら再び科学論文を書き、
疲れたら少し眠るだろう。
これが寒冷地での冬眠法だ。
私は25歳の時から在宅勤務をしてきたお陰で、
外に出かけることは、講義と食料品の買い出し以外にほとんどなくなった。
地球から回収するものは食品に限らない。
無数の数学的原理だ。
メタフィジクスの正味期限は無限だ。
ここは宇宙服のいらない宇宙ステーションだ。 Y.K
陸稲戦略
トウモロコシで車は走る。
最近の新車は既に
バイオエタノールに対応したエンジンと搭載している。
その結果、トウモロコシの価格は上昇した。
エタノールは石油や天然ガスから合成することもできるが、
バイオマスエタノールの原料は、理論的には
炭水化物を含む生物資源であれば何でもよい。
ただし、今生きている植物に限る。
先日農協が米の買い取り価格を急激に減額して
農民が激怒しているニュースを見た。水稲は強奪されつつある。
世界の稲作は陸稲が中心である。
稲作はアメリカ大陸が独占するだろう。
お米の販売価格もやがてトウモロコシのように上昇するだろう。
お酒で走るエンジンはできている。
こうしてお米もまた
酪農用の飼料か、自動車の燃料に変換されていく。
これは明らかに地球温暖化対策を口実にした
稲作文化の破壊工作である。 Y.K
知の貿易商
独創性の時代がインターネットで加速されている一方で、学生たちに独創性の根源をうまく教えられない大学と教師が高校生の獲得競争をしている。
明治以後、知の貿易商で経営されてきた大学と学者の時代が終わった。
授業料は知の貿易商に支払うには高すぎると感じさせる前にこうした広告的手段に身をゆだねるしかないのである。 Y.K
うどん屋さん
役人、銀行員、会社員にはなるな。
月給取りはつまらぬから、うどん屋さんや風呂屋さんのように独立した実業人になれ。
と福沢諭吉(1835〜1901)は言っている。
しかし、馬車で移動した1世紀も前のことだ。
21世紀ではうどん屋さんや風呂屋さんは、独立した科学者や発明家になれる。
それが情報産業社会だ。
だからといって、多くの科学者や発明家は、国家や企業に雇用されているので、
役人、銀行員、会社員と変わらない生活をしている。
彼らが、うどん屋さんや風呂屋さんのように自由ではないことは明らかだ。 Y.K
農業型モバイル・テクノロジー
耕作と農薬からの自由(つまり、不耕作と無農薬)こそ、農民の最後の生存のためのテクノロジーである。これは、デザインサイエンスの無線、無管、無柱のモバイル・テクノロジーに相当する。
椎葉村の焼き畑移動農法に見られる農業型モバイル・テクノロジーの原型は、不耕作と無農薬である。70年代まで村人の植物の知識は、植物学者も及ばなかった。椎葉村では、名前のない植物は存在しない。
耕作と農薬は、雑草ではなく農民から植物の知識を根絶させたのである。 Y.K
溶けないアイスクリーム
すべての化学元素は天然素材である。
すべての核汚染物質も天然素材から合成されている。
世界中の核兵器もアイスクリームと同じ天然素材から製造されている。
私の年少の頃は、天然素材のセシウム入りの土団子で遊んだり
広範囲に天然素材で汚染された地下の井戸水を飲んでいた。
「天然素材主義」は、多くのエコロジストと同じように、
グランチ(=高度情報金融資本主義)の好きな言葉だ。
アイスクリームは溶けるが、アイスクリームは決して熔けない元素から構成されている(原子炉は人間の不注意から熔ける場合がある)。
92種の天然元素から、われわれはあらゆることを包括的にデザインできるのだ。
その結果、人為主義的な言語は自然に排除されるだろう。
物理的宇宙で生存する人類が、エネルギー生産とエネルギー消費の概念を捏造したことも。 Y.K
*セシウム137は、半減期約30年の放射性元素である。医療用の放射線源に使われている。体内でとカリウムと置換されるため残留する危険な放射性物質の一つである。ヒロシマの原爆の使用で大量に生成され拡散した。
次世代の明るい農村
日本の農業は、もっとも制御しやすい状態にある。
指導者なき農村部の過疎高齢化は、結果ではなく長期的な目的であった。
全国的な杉の植林などもその目的達成のための一過程であった。
自然界の元素の循環を妨害するノウハウなど、不可視の技術的ノウハウの膨大な目録の一部である。
世界の農業を互いに似せるために、情報コングロマリットは、
明らかに世界の都市と農村の統合を図ろうとしている。
こうした次世代の明るい農村再生計画に必要なインターネットのインフラ投資の大半は税金で賄うことになっている。 Y.K
水
地下水をコップ一杯飲む。冷たい地下の温度が体内を巡る。
この水分子を一つだけ分離して印を付けたとして、
この分子が再び私の体内で新陳代謝に参加することは二度とないだろう。
もしバンアレン帯がなかったら、この確率も瞬時に消えてしまうだろう。
この現実は、他の惑星の最良の出来事から成り立っている。 Y.K