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流体地理学とバイオスフィア

堤防もダムも「基礎と足場」を最初に作る。
住宅の建造も不動を前提とする「基礎と足場」を必要とする。
流体地理学を密かに葬った固体的建築は
人々を都市に堰き止めてしまったが、
風と水の波動はそれらが依存する大地の表面を
徐々にあるいは瞬時に流動させることができる。
バイオスフィアは大陸さえも一つの海と共に移動してきたのだ。

堤防もダムも年数センチという速度で移動している。

https://www.sci.u-hyogo.ac.jp/life/geology/lecture.files/res3c.html

バラック(barrack)に始まる

自然は地表の人工物を
濡れた無残なバラック(barrack)に解体する。
だが人類は海からやって来た。
無秩序なバラックを再結合するときに
自然が採用した方法を思い出すチャンスがある。
ウイルスでさえ僅か1種類のタンパク質というバラックから
対称的に構成されている。
裏庭のバラックは粗末な家ではない。

サテライトウイルスは正20面体を採用した最小限のモバイラーである。

テンセグリティは角度的にジョイントレス

世界のジオデシックドームは加速度的に増えたが
その数学や技法は1970年代と変わらない。
ジオデシックスよりもテンセグリティを
先に開発したフラーの野性的動機を知らない。
テンセグリティが角度的にジョイントレスで、
超軽量で安全な構造を成す相似律こそ自然の構造にあった。

SYNERGETICS RBF 1975
より細分化されたジオデシックス構造はより小さなディンプル現象を引き起こす。

川沿いの隠れ家

大工も左官屋も死んだ後のヒロシマは
瓦礫の中のバラックからサバイバルが始まった。
星々が見えなくなるほど川面を照らす炎が好きだ。
人々の群れが町になるまで、
川沿いの隠れ家で釣りと流木の焚火の日々だった。
あの頃、バックミンスター・フラーは
裏庭でテンセグリティを発見していたのだ。

SYNERGETICS RBF 1975

最後のユーザになる現実がきた

最初にテンセグリティを制作した時その構造から何でもできる気がした。
永遠に陳腐化しない元型を感じた。
後にフラーレンが発見され、DNAやウイルスの構造も、
宇宙で生き延びるテンセグリティ原理の優れたユーザだと分かった。
気象災害用シェルターで人間は
最後のユーザになるだろう。

放散虫はモバイルテンセグリティ構造を採用している。

労働が隅々まで分断された世代

自然が超専門分化に従って、細切れにされ続けていたなら
同時的・非同時的な一つの全体を一度も再生できなかっただろう。
21世紀の子どもはスマホで世界を切れ切れにする方法を学んでいる。
子どもがネットに向かう時間を制限し、
学校がある平日はデバイスの使用を禁じる両親は少ない。
両親に分断化の経験がなかったからではなく、
すでに労働が隅々まで分断された世代だったからである

細分化された労働によって脳は分断され征服される。

沿岸部から人の住めない内陸部に移動するための住居

哺乳類で家を買うのは人間だけだ。
1927年のR.B.フラーの最初のモデリングは
テンセグリティ=4Dハウスだった。
それは、世界の沿岸部から人の住めない内陸部に移動するための
超軽量シェルターの開発だ。
デザインサイエンスはテンセグリティの
人間生活への適応性を証明するために生まれたのだ。

浮遊するテンセグリティ都市 直径800m R.B.フラー 1962
裏庭のテンセグリティシェルターは母船に帰還する。

人工的な川が流され、自然の川は川底と共に動く。

決壊して川の流れが変わったのではない。
宅地と農地の拡張のために川底を堤防で固定した人工的な川が、
遂に成長した巨大雨雲に流されたのだ。
リセットされた川底が剥き出しの重力に従った本来の川なのだ。
川は川底と共に動く。
流入量と流出量の収支バランスを維持するために。

利根川 川底と共に動いた流れは、
土木技術によって一時的に川幅を固定されている。

国境なき消費終活宗教

価値生産を加速する産業から生まれる経済は
失うものを増やしていくゲームに変貌する。
1ドル紙幣を刷るだけで誰かの借金だ。
水素原子は、他の原子と結合するためのエネルギーを
宇宙から借金しない。
その現実を見ない地球サバイバルは、
ただ生きているだけの国境なき消費終活宗教だ。

水素原子は宇宙の全質量の約75%を占め反応性に優れているのは
ほぼすべての元素と結合するためである。
単離した水素原子は地球上の最初のモバイラーである。

水素結合の対称化
「水素結合の対称化にともなう結合様式の変化によって鉱物全体のマクロな物性変化を引き起こす」
https://j-parc.jp/c/press-release/2018/11/22000178.html#no5

人命救助出来る実際の道具の数は僅かだ

自衛隊の災害救助隊が災害前に出動しないし
自衛隊は軍事用ヘリやボートの保有数を公開しない理由がある。
非常時が発生する事態につねに備えるからだ。
広範囲で大災害が発生した後に自衛隊がたとえ2万人出動しても
各被災現場で最優先で人命救助出来る
実際の道具の数は僅かにちがいない。

千曲川での救助に使われたヘリは何機だったかのか?
現場では報道のヘリの方が多かった。