コスモグラフィー」カテゴリーアーカイブ

シナジェティクス元型論

神話学には元型という概念がある。
哲学的な形相のように、
人間の集合的無意識の観念が特定の形式で想起されてきた。
シナジェティクスは
宇宙の構造とパターンの元型を物質化する過程で
テンセグリティ構造を発見した。
インテグリティ(Integrity)の可視化は
自然を観察する行為からではなかった。

Nucleated Cube: The “External” Octahedron
SYNERGETICS RBF 1975

反・収穫逓減

より大きく作れば作るほど、
単位体積あたりの重量が減少して強度が増加する
シナジー原理を実践する時、
私は構造計算を信じない。
生産システムの生産性の限界を追究する
経済学の「限界主義」に適応して
より大きく作れば作るほど、
単位体積あたりの重量が増大する構造計算は時代遅れである。

台風の季節が再びやってきた。
熱帯低気圧が地理的境界線を越える時、名前が変わる。
台風の目の周辺部では上昇気流、その中心部の上空で下降気流が発生する。
台風は長寿命に自己組織した渦である。

「上・下」「左・右」 「表・裏」

空間とはまさにわれわれが置かれている現実であるが、
非同時的に内部を外部化した可視的かつ不可視の存在である。
思考可能な現実はつねに
外部を外部化する行為から成り立っているかぎり、
空間は「上・下」や「左・右」
そして「表・裏」のような概念からは説明できない。
素粒子から銀河系まで
空間は互いに軸回転している。

軸回転するPolyvertexia  1989
シナジェティクス研究所 梶川 泰司

テンセグリティ構造における遅延と逸脱

遅延と逸脱は生命全体に起こり得る。
テンセグリティ構造においても
伝達速度の遅延から共振作用が生まれ、
外力分散という逸脱システムが
張力材の破断回避だけではなく、
システムを通過したエネルギーが
システム全体をより強化する。
生命と非生命の境界線は再び曖昧になる。

テンセグリティ構造化したハリセンボン
肉食性で海底の貝や甲殻類、ウニなどを捕食

固有のズレを補正する逸脱システム

筋肉に命令をより速く伝達するために、
運動神経は筋肉よりも相対的により太くなる。
こうした遅延を補正する逸脱システムは、
生命には固有のものであるが、
政治は、意見の相違を支配力で無化し、
経済は、時差を隈無く利益として独占することによって
大多数の人生の可能性をより短命にしている。

より多くの視覚情報を伝達するための視神経は外眼筋よりも太い

バックミンスター・フラーとの出会いについて

インタビュー;「世界を探査するモバイラーはノウホワイト(know why)と対話する。」
感じたことをいかに隠せるかを
学ぶのは、早い時期だ。
本に書いてあることを
いかに自分の考えとして表現する技法を
習得するのはそれほど難しくない。
これらの二重性は、群れとして生存するための
条件反射から形成される。

生得的な安全装置(Fail-Safe)

すでに生得的な安全装置(Fail-Safe)を与えられている。
自然はこの安全装置を
より重要な部分をけっして所有しない標準システムとして
すべての有機体生命に
隈無くインストールしてきた。
この安全装置は
構造とパターンに関与する
見えないエコロジーとして無償化された。

月は引力の交流発生装置

多重の共鳴音

風が吹けば、共鳴テンセグリティ(直径320cm)から
多重の共鳴音が聞こえてくる。
風を受容する共鳴波に圧倒されるのは、
中心部で球面波がほぼ相殺される瞬間の
青空と対比的な無音の空間だ。
旋律、リズム、ハーモニーからなる音楽を超えた
原始の洞窟の中で聞く純粋な無音なのか。

共鳴テンセグリティ(直径320cm)2015
制作 シナジェティクス研究所 梶川 泰司