宇宙の出来事を直観的な興味に添って
自発的に理解するには教育システムは硬直しすぎている。
宿題と試験に適応する学習方法を習得した後の
子どもには用意された「達成感を伴う疲れ」と引き替えに
間違いに潜む曖昧さに渦巻く神秘が去って行く。
達成感と硬直さは選択権のない空間の表裏である。
「コスモグラフィー」カテゴリーアーカイブ
自然の原理
無数の原理は未だ発見されていない。
にもかかわらず、つねに操作されている。
設計図のない五重の塔や外洋の波間を潜水しながら自在に航行できる
バイダルカや「かた」を編み出す武術に至り、
そしてバイオスフィアの自律的な自動気象システムまで。
人間の知性よりも自然の原理によって。
バイダルカ
内部の反転
甲殻類の筋肉というタンパク質から形成される
テンション材は殻で保護されてつねに内部化されている。
テンセグリティ構造においてはテンション材は外部化されている。
ロボットは前者のタイプだが、
間接部にギアまたはジョイントやケーブル、
ベルトどの伝導機構を内蔵する。
テンセグリティは伝導機構を反転させる工学を生む。
伝導機構を内蔵する甲殻類
内的な実験(imperiment)
科学的実験は、experimentであるが
直観による内的な実験はimperimentである。
ベクトルの方向性を変えると自らを危険に晒す行為となる。
シナジェティクスは、
内的な概念モデルと外的な実験モデルとの相互作用から
自然の原理に接近する。
この実験は経験(experience)の前駆体(imperience)になる。
ヒエラルキー(Hierarchy)
ヒエラルキーは原子核構造にも
シナジェティクスモジュールの階層構造にも
そして政治経済システムと宗教システムにも存在する。
後者のシステムのみが、支配層が望んだ人為的ヒエラルキーである。
そのシステムは再生的よりも予め独占的にデザインされる。
テンセグリティの不随意筋ネットワーク
人間の随意筋では伸筋の収縮と屈筋の弛緩が同時に起こる。
テンセグリティ構造の同時的な共振作用は
張力材の収縮と拡張の非同時的な差異から形成される。
テンセグリティ構造の閉じた張力ネットワークは
自己意識下で動かすことの出来ない
自然の不随意筋の現れである。
SYNERGETICS RBF 1975
コツが学習を支配している
効果的だが安易な学習方法ほど、
隅々までコツが支配している。
テンセグリティモデルの制作のコツを掴む方法は圧縮材には求められない。
秘訣としてのコツは歴史的に骨のように圧縮される特殊な部分に求められてきた。
テンセグリティの張力調整機能は重さのないネットワークパターンにある。
共鳴テンセグリティ構造 制作シナジェティクス研究所 2015
驚異的な感覚から始まる
シナジェティクスをモデリングから学ぶと、
数千年前の誰かが得た驚異的な感覚を覚えることがあるだろう。
つねに知的な熟考へ接近するための信頼できる感性を習得することができる。
その経験からやがてその感覚を操縦桿として見立てることが出来る。
自然の構造
科学者はバクテリオファージや準結晶から自然の構造を探査してきた。
実験室で最初に合成された人工物、
例えばフラーレーンやナノチューブにでさえ、
自然の構造以外発見できなかった。
動く調和
人間は失敗という概念を発明することによって
人間の更なる大失敗が大災害を許容してきた。
自然には失敗も災害も存在しない。
自然は過去を復旧しない。
気候変動でさえ自然の動く調和なのだ。
SYNERGETIS RBF 1975