コスモグラフィー」カテゴリーアーカイブ

動的シンメトリー

自分の外部に存在するモノを見て思考するだけではなく
モノの表面に触れて判断する。
古代ギリシャ多面体は触覚による
大理石の表面のモデリングから生まれた。
結晶学も視覚・触覚を介在した多面体を認識したが
原子核に表面はなかった。
原子配置はモノではなく動的なシンメトリーだった。

資源と原理との調和

資源は所有されるが、
原理はだれにも所有できない。
発見されるのみである。
発明は一時的である。
発明は資源と原理との調和にしたがって
変動する必要性の元でつねに書き換えられていく。
発明は一時的であるがゆえに、
所有可能な記号システムに置換されている。

三角形化の歴史

経験される固有な関係性はパターンに対しては局所的である。
パターンはそれらの関係性に対して投影される包括性である。
トラス構造における三角形化の歴史が
球状ジオデシック構造を生んだわけではない。
ジオデシックス構造は基礎構造なしで
自立する無柱空間の構造安定性のパターンから生まれた。

SYNERGETICS RBF 1975
The geodesic spheres (D and E) exhibit “very local” dimpling as the frequency increases, suggesting much less resistance to concentrated loads but very high resistance to distributed loads.

学習依存という条件反射

教育は学習依存で張り巡らされている。
やがて勉強すればするほど満足する条件反射に夢中になる。
経験と絶えざる実験、そして未知への冒険からのみ理解していく
自己教育プログラムとその教師は外部には存在しない。
外部の教育システムが依存しているのは実はこの先験的な内部装置だ。。

元型に遭遇する

概念を形成する過程でも
主観的なアイデアが事物と脳との非論理的な回路へ誘導されがちになる。
思考力だけから概念モデルが生成されることなどないが
待つしかない受動的な段階に耐えながら
ついに特殊な経験を局所的な言語によって変換した瞬間に
非物質的で客観的な元型に遭遇する回路がある。

続)概念の実験

シナジェティクスにおける物理的な相補性は
概念モデルの絶えざる実験によって発見され確立される。
例えばバックミンスター・フラーのテンセグリティ原理の発見までに
圧縮力と張力との相補性を
圧縮材と張力材に置換するための
概念モデルによる17年間の挑戦がある。
自然の観察からではない独自の自然学がある。

利己的と功利的

利害につねに動機付けられる利己主義は
自尊心や自己愛を取り戻そうとする衝動から生まれる。
モラルからそれを抑制することはできない。
万人の利益を求める功利的思考は
有用性の高い発明を生むモラルの起源。
功利的思考は現代の資本主義教育から排除される傾向にある。

概念の実験

電子と陽子は同時に発見できなかった。
電子が1899年に発見された後、
陽子は1911年の原子模型で初めて概念化され1918年に発見された。
相補性は思考の中で最大の非論理性として立ちはだかっている。
陽子と電子は鏡像ではなかったからだ。
物理的な相補性は概念の実験によって確立された。

小が大を兼ねる試行錯誤

大は小を兼ねる。
同時に、小が大を兼ねる関係が生まれる時がある。
小を構成する最小限のモジュールから全体が出現するための
システムを構成する論理的方法は
部分から全体も、全体から部分も推測できない
非論理的な試行錯誤の後に発見される。
この非論理性は自然にありふれている。

最小の球状三角形が球面のほとんどを覆うことができる。
SYNERGETICS RBF 1975
The Greeks defined a triangle as an area bound by a closed line of three edges and three angles.