シナジェティクス」カテゴリーアーカイブ

概念モデルを解明する言語

同一のモデルを異なる方法で知覚することによって
ある発見がなされた時、
発見後もそのモデルを物理的に
何も変化させる必要がない場合がある。
新たな概念モデルを解明する言語が生まれた瞬間である。
経験の偶然性をメタフィジックスからの情報と統合する
生成文法はシナジェティクスである。

プリセッションは天体間の運動だけではない

シナジェティクスは純粋な数学的発見から生まれる。
デザインサイエンスの実践を通じて
シナジェティクスのモデル言語は漸進的変化を遂げ始める。
シナジェティクス諸原理の有用性を実験すればするほど
原寸大プロトタイプの素材選択と生産方法に
最大のプリセッションが突然訪れる。

地球の溶けた中心核による磁性変動

ジャイロスコープを使って一般相対性理論を証明することと
地球の溶けた中心核の磁性変動で磁北が東へ移動していることを
地球の気温が現在低下しつつあることに
だれも相互に関連づけられない。
しかし急激な大規模の気象変動に備える生活器の開発が
電気自動車よりも優先されるのは選択の問題だ。
経済を超えたサバイバルの段階になるだろう。

生活器にテンセグリティ構造を統合する仕事

生活器にテンセグリティ構造を統合する仕事は
デザインサイエンスの課題だった。
シナジェティクスに求めても完成しない領域だった。
しかし、生活器の複製にグランチの大量生産技術に依存する限り
遅延するばかりだ。
既製品だけを使用することで経済性と耐久性を備え、
組立・分解が個人で可能な
直径7mのモバイル・テンセグリティシェルターの
可能性は2018年まで存在しなかった。

美的なモデルは概念モデルより先行しない

何か違和感を感じる、考える、推論する、
数学的に判断する、モデルを想像する、直観的にモデリングをする、
それを観る、何か更なる違和感を感じれば、異なるモデルを想像する。
概念の発見がどの段階にあるか未知だが
シナジェティクスモデルは発見されてきた。

美的なモデルは言語化を熟考した後に初めて物質化する。
概念は形態から美的に複製されない。

展開型テンセグリティ構造 直径11m(1995)

阪神大震災の直後、シナジェティクス研究所は5ヶ月間で
コミュニティ用の生活器のための
直径11mの世界初の展開型テンセグリティ構造を開発した。
アルミ合金パイプ 全重量250kg

1995年バックミンスターフラー生誕100年祭(ニューヨーク)で展示された
展開型テンセグリティ構造モデル(直径200㎝)
『宇宙エコロジー』バックミンスターフラー+梶川泰司 著 美術出版社 2004
p352から引用

縁側と裏庭に始まる自己教育システム

私が最初に制作したシナジェティクスモデルは、
ベクトル平衡体とテンセグリティだった。
縁側と裏庭でシナジェティクスとそのモデリングで過ごしていた時間は、
20年後、展開型のテンセグリティ・シェルターの空間に変換された。
やがて春の裏庭は自動気象ミニバイオスフィアになるだろう。

1995年バックミンスターフラー100年祭(ニューヨーク)で展示された
展開型テンセグリティ構造モデル(直径200㎝)
http://synergetics.jp/tensegrityblog/

より鋭敏に共鳴するテンセグリティ構造

テンセグリティ構造はジョイントレスだ。
連続したネットワーク全体が超軽量化のジョイントになる。
強い衝撃を受けてもテンション材が破断しないように、
外力を回転運動で効果的に分散するテンセグリティ・ジョイントによって、
より鋭敏に共鳴するテンセグリティ構造を発見した。

Rezonated 30-struts-tensegrity
シナジェティクス研究所 制作 2007年

個人教授バックミンスター・フラー

私は、シナジェティクスの探求を始めてすぐに
新たなシナジェティクス原理とそのモデル群を発見したわけではない。
バックミンスター・フラーに会うまで少なくとも5年間は文通していた。
彼から建築ではなくシナジェティクスを
縁側と裏庭で学んだ最初の学生であったことが
後の膨大なクロノファイルから分かった。