シナジェティクス」カテゴリーアーカイブ

発見された宇宙のテクノロジー

1.あらゆるエネルギーの無料化を達成できるテクノロジーを
支配する世界権力機構が存在する。

2.すでに発見された宇宙のテクノロジーに依存すれば、
「個人が必要とするモノはすべて、すでに支給されている」

という現実を露わにしたバックミンスター・フラーの考えから
私は19歳の夏にシナジェティクスの探求を始めた。

『宇宙エコロジー』バックミンスター・フラー+梶川泰司 著

直観と美は、
法律(=記号)と土地という人為的な富による権力作用の中に組み込まれ、
さらに後には、教育や医療、精神分析、
そして大量生産技術なとど相互に連動し統合されることで、
あるいは、宗教と共に除外され続けることで
メタフィジクスを支える独自なエネルギーを失ってしまった。

『宇宙エコロジー』バックミンスター・フラー+梶川泰司 著  美術出版社 2004

飛躍的な強度の向上は想像できない

超軽量化された飛行機のように、
外観からは想像できないテンセグリティ・シェルターの性能は、
より重要な部分がない構造とパターンの秩序(シナジー)から生まれる。

飛躍的な強度の向上を予測できる情報は
圧縮材や張力材そして皮膜やジョイントなどの
すべての部分に宿らないのである。
より重要な部分を排除するために。

外力を分散するテンセグリティ・ジョイント

私は、THE NORTH FACEのケネス・ハップ・クロップ氏に
6本の圧縮材から構成した
テンセグリティモデルをプレゼントした。
黒炭から切削した12個のテンセグリティジョイントは、
外力を受けるとパイプの各端部で
回転する機能があるので、
落下してもボールのように何度もバウンドできる。

外力分散機能のある12個のジョイントから構成された
テンセグリティ・ジョイントで構成された
6-Struts Tensegrity シナジェティクス研究所 制作 2008

石器時代の固体概念から抜け出す

フラーによるテンセグリティ原理が発見されるまで
石器時代の固体概念から抜け出すために250万年が経過しなければならなかった。
さらにテンセグリティ原理のシナジー作用から
基礎のないテンセグリティシェルターがデザインされるまで約80年を要したが
核物理学にはその概念は未だ登場しない。

アナーキーな動的均衡

静的で固体的な安定を求める願望こそが無秩序の原因なのである。
テンセグリティの構造安定性を形成する振動は動的秩序をもたらす。
動的均衡を制御する構造は
本質的にアナーキーな(an-archi)主たる存在がない自然の秩序によって、
破壊を遠ざける振動数にするために
絶えず共振しながら安定する。

共鳴型テンセグリティモデル 直径100cm シナジェティクス研究所 制作 2008

テンセグリティ・シェルターの内部 直径6.5m カーボン製

テンセグリティ構造の生活器としての可能性をTHE NORTH FACEの40周年で
来日した創業者ケネス・ハップ・クロップ氏と対話した。
バックミンスターフラーにデザインを依頼したモデルがテンセグリティシェルターの内部に設置された。

シナジェティクス研究所が開発した直径6.5m重量30キロのカーボン製のテンセグリティシェルター
ハップ・クロップ氏と共にテンセグリティシェルターの内部にて。青山スパイラル 2008年

作業仮説のための作業仮設シェルター

シナジェティクスは、
国家も企業も「思考する自由」を行使する人間を雇用できないという
作業仮説(Working Assumption)から始まる。

火星よりも安全で安価で気楽な自動気象装置を個人が複製できる時代に
その作業仮設用(Temporary Working Structure)の
モバイル・テンセグリティシェルターが
もっとも信頼できる全天候用サバイバル生活器となる。

作業仮設用モバイル・テンセグリティシェルターのプロトタイプ
シナジェティクス研究所 制作2008 デザイン 梶川泰司 

刷り込み(imprinting)

何かを学ぶことは興味のあることを、
経験することから始まる。
これは簡単なことに聞こえるが、
経験もなくノウハウから学ぶと知識とその起源を愛せなくなる。
失敗を怖れる理由は、社会と両親が抱く目的の「刷り込み」からだが、
興味を抱く理由は、彼らの目的にはない。
外部からプリントできる言葉ではないから。

折りたためるテンセグリティ構造

自然から発見された純粋な折りたためる構造、
たとえば、DNA構造は生存のための複製機能としてデザインされている。
晩年のバックミンスター・フラーは全世界での講義用に
折りたためるテンセグリティ構造をデザインしていた。
デザインサイエンスは、
生存のための純粋な展開型のテンセグリティ構造を複製する。