シナジェティクス」カテゴリーアーカイブ

手の主観

人生でうっかり経験される刺激または興奮を科学は主観として認識する。
シナジェティクスは、主観によって偶発的に獲得される特別な場合なくして
一般化へのプロセスを発見できないとするメタフィジックスである。
私が正12面体を5個の正4面体に対称的に変換するモデルを
アルミ管と連続した糸から発見したように、
シナジェティクスと科学の境界線は手の主観にあるからだろう。

正12面体は5重の正4面体に折りたためる 1981 梶川泰司
『コズモグラフィー―シナジェティクス原論』白揚社 2007 から引用  

不注意をより減らす教育システム

学校や家庭では不注意をより減らす教育を受ける。
しかし間違った理由から正しい事が為される唯一の方法は不注意にある。
数学の確率論では不注意は確率要素として特定される因子である。
不注意から科学的発見に遭遇するが
間違った理由から稀に正しい事を為す社会システムは政治家が独占している。

直観とマインド

シナジェティクスを変革してきた単独者の直観は
尊敬もなく他者に影響され続ける学習や訓練からではなく、
つまり、様々な公理と体系的な知識によってバックアップされない場合にのみ、
直観は単独者のマインドに受容される。
彼らは遠隔的で非同時的な対話によって孤立していない。
この事実を証明するための同時的な場所にいないだけである。

単独者との対話

バックミンスター・フラーは私の師だった。
彼から見れば私は弟子ではなかったはずだ。
独自の経験から単独者しかシナジェティクスを探求できなかったからだ。
私の最初の論文を読んだ後に、彼が私にシナジェティクスのすべてを理解していると肯いた。
まだ私は「シナジェティクス大全」を読破していなかったので
彼の評価を理解するまで混乱していたが、
それは幸運な出来事だったかもしれない。
新しい発見は「書」からではなく単独者の直観から始まる。

無理数から離脱したナーガ(NAviGAtion)

天文学は球面幾何学を体系化した。
幾何学が測量技術から進化した歴史ではないように、
シナジェティクスは幾何学から進化しなかった。
無理数から離脱した革命的な物質化は
シナジェティクスのナビゲーションシステムにある。
このNAGAこそ無理数なきコズモグラフィーである。

SYNERGETICS RBF 1975

一時的な存在

万物が流転するように原子核のほとんどは
不安定でありその寿命は有限である。
相互結合の可能性が制限された化学的な化合物は一時的である。

経験も一時的に終わるのは
物理的、経済的、時間的に制限されるからだ。
もっとも制限を受けるのは他者と共有する概念である。
概念はもっとも流転しにくい安定した牢獄に幽閉されている。

動的シンメトリー

自分の外部に存在するモノを見て思考するだけではなく
モノの表面に触れて判断する。
古代ギリシャ多面体は触覚による
大理石の表面のモデリングから生まれた。
結晶学も視覚・触覚を介在した多面体を認識したが
原子核に表面はなかった。
原子配置はモノではなく動的なシンメトリーだった。

流星と焚火

北アルプスから湧き出るような流星群を見るには
夕暮れの焚火から始まる。
夜明けまで焚火をしなければ、
流星のない夜はないことを知らなかった。
炎を絶やさない方法も分からなかった。
そして朝日から受ける輻射熱よりも
大地から奪う気化熱の凄さを知らなかった。
夜明けこそ極寒。

資源と原理との調和

資源は所有されるが、
原理はだれにも所有できない。
発見されるのみである。
発明は一時的である。
発明は資源と原理との調和にしたがって
変動する必要性の元でつねに書き換えられていく。
発明は一時的であるがゆえに、
所有可能な記号システムに置換されている。