シナジェティクス」カテゴリーアーカイブ

風と球面張力波

電磁気学的な波は全方法的に拡散する。
結晶構造と準結晶構造は全方向的に成長する。
球面張力波は全方向的に干渉する。
それらはつねに非同時的である。

共鳴テンセグリティ構造は、
非同時的な外力を固有振動数に同期させる。
さざ波のように絶えず押し寄せる球面張力波を
固有振動数に変換し
嵐で可視化される共振作用は半径の極めてスローな増減になる。

風による球面張力波のエネルギーが
3Way-Grid構造を共振回路に変容させる時、
テンセグリティシェルターは
風と共鳴することで自らをより非物質化しようとする。

SYNERGETICS RBF
Fig. 765.02 Stabilization of Three-Way-Grid Tensegrity Sphere;

動物行動学

自己教育システムが生得的に備わっているという考えは、
動物行動学から始まった。それから70年以上も経過したが、
自己教育システムを理解し実践している学校はまだ稀だ。
データの記憶力とパターンの発見力とを統合させる方法によって
子どもが子どもを教育できる内的システムを教師は容認できない。
学校は古い都市を漸次的に変えるシステムよりも変化しない。

表面張力(surface tension)

春の嵐は台風よりも強風を伴う。
強風によるフラッタリングの発生がない
テンセグリティシェルターの機能を
構造の柔軟な強度だけでは説明できない。

外力を受けたシェルターの表面を覆うフィルムは
テンセグリティの張力の共鳴作用によって
全方向に対して分散すると同時に
表面張力がフィルムの復元力として機能し始めるのだ。
表面をできるだけ小さく維持するテンセグリティシェルターは
表面張力波の干渉を短時間に減衰させる機能を内部からも観察できる。
強風によるフラッタリングの発生がないので
フィルムの耐久性は向上する。

形態は構造ではない

船は大波で揺らぐ。
航空機は乱気流で揺らぐ。
嵐で軋む住宅は振動には不向きだ。
エアロダイナミクスとは無縁な形態は
建築の世界では自己表現の手段になる。
形態は構造ではない。

大きな栗の木のある畑の傍で、
春嵐の中でその太い枝よりもスローに揺らいでいられるのは
嵐に共鳴するテンセグリティシェルターだけだ。
畑に係留するだけで収穫までしばらく停泊できる。

伝聞情報、信念、公理または自明の理に基づかない思考方法

伝聞情報、信念、公理または自明の理に基づかない思考方法は
数ヶ月間程度インターネットや読書をしない生活から期待できるほど簡単ではない。
心と頭と手のそれぞれの動きが
どれほど既製の概念から出来ているかを
自分の外部から見ない限り。
心と頭と手の分断化は絶え間なく続くだろう。

現代の教育の副産物は豊富な知識や思考法ではなく、
自らを監視するための無意識化装置である。
そして、自己への監視は集団で同調できる自己愛にまで変換されるから実に巧妙だ。

逆さ全方位感覚

逆立ちは即効性がある。
視力が一時的に変化することに気づいた。
逆さ状態の血流の変化によって
胎内にいる間の胎児が母親と共に至る所を逆さ状態で移動した経験から、
視覚の成長過程への劇的回帰が起こるとしたら、
視力変化ではなく、
全方位への感覚が引き起こす視野角の回復ではないだろうか。

もう一つの現実

誰にも思考の自由を雇用できないもう一つの現実が
経済的で効果的な仮説なき技法を作り出している。
たとえばユニバーサルジョイント、自転車のホイールやジャイロ効果、
そしてテンセグリティ。
もう一つの現実では仮説を作るよりも早くプロトタイプが制作される。