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構造のデフォルト

テンセグリティが1949年にバックミンスターフラーによって発見されるまで、
構造の科学的な定義は存在していなかった。
さらにすべての動植物の細胞の構造を形成しているのは
細胞膜や原形質膜ではなく、
テンセグリティ構造だと発見したのは20世紀後半の生物学者である。
膜という表面材は構造に不可欠な要素ではなかった。
構造のデフォルトは、テンセグリティである。
自然以上に構造を軽量化できない。

微生物の存在比

木材に防腐剤を塗布すれば、腐蝕に対抗できる。
腐食とは、木材に含まれるセルロースなどを分解する腐朽菌が繁殖する。
防腐剤は、微生物を直接死滅させる殺菌剤や消毒剤ではないが、健康上室内では使用できない。
腐朽菌と共生できるのは、発酵作用を形成する微生物群である。
発酵作用のある環境を生成するのは、微生物ではない。
太陽系の元素の存在比のような、微生物のデフォルトの存在比である。
微生物の存在比を再現すれば、
木材は、防腐剤なしで防腐剤で処理した木材以上の耐腐蝕性を獲得できる。

不可逆的に

富とは、生活水準を維持するための
人類の生産と分配の諸機能を実現するために
必要な最小限の物質・エネルギーと時間を予測する能力であり、
個人が所有するその富は不可逆的に増加している。
大多数がより賢い消費者に留まっている間にも。
その不可逆的な加速度曲線は20世紀後半まで認識されなかった。

再生的

森が肥料や農薬を必要としないまま移動できるのは
テクノロジーである。
耕すこともしない、肥料も投入しない自然農は、
テクノロジーに対立してはいない。
光と風と水、大地と微生物が
つねに再生的に相互変換するテクノロジーでなかったなら、
自然農は発見されなかっただろう。
自然農は元素変換に関する包括的な科学である。

科学史

偉大な科学者の自伝を読むと、
発見は非論理的であるばかりか、
偶然を伴わない飛躍的な発見が存在しなかったことが
誠実に書かれている。

科学史のような歴史的必然が後退しはじめる。
科学史は国家的科学の産物である。
もう一つの現実は、「失敗という神秘」から誘導され続けている。
科学史はこの現実から絶縁したままだ。

シンタックス

好奇心から生まれる興味と経験から学習していくと、
やがて知りたかった現実の方から近寄ってくる。
しかし、その現実は知識で想像したよりも矛盾しているだろう。
探し求めたものとは別のシンタックスが存在するからだ。
慣れ親しんだ現実を脅かすほどの事態が引き起こされる予兆がやってくる。

偶然を装ったもう一つの現実は予想を超えて存在する。