シナジェティクス」カテゴリーアーカイブ

風と大地、そして微生物

人間が勧めるいい土地ほど、大地には帰らない。
人間が求める土地から微生物は移動する。
地下茎の電子的ネットワークによって。

自然農は自然のテクノロジーを発見した。
風と大地、そして微生物と共に移動するのは
重さのない自然農だけである。

遠近法でさえ

観察するためには、感覚器を必要とする。
視神経の束は人間の感覚器では最大となる。
だがその視覚は、自らの不安や欲望によってつねに監視され、
さらに視覚は、言葉と記号によって予め支配されている。
距離感を測定する遠近法でさえ社会構造が反映される。
かつてのインディアンやエスキモーの視力は、望遠レンズ並であった。

ほとんどの観察や理解は、自己の反映ではなく、外部の反映でしかない。
ただ眺めて生きているだけに飽きたとしても、
自然に剥がれ落ちるほどこれまで馴染みの理解からの離脱は簡単ではない。

概念の破壊なくして新たなビジョンは取り出せない。
理解は、観察を超えた自己と宇宙の関係を発見するプロセスに始まる。

正20面体状KAJIKAWA Band

大理石のモデリング技法と絶縁した
ベクトル平衡体とは異なるトポロジーモデル群は
多稜体のシナジェティクスモデルだ。

正20面体状KAJIKAWA Bandでは、
右回転または左回転で連続したZ型螺旋ループに加えて、
正20面体にねじれが起こる。

これは、二重螺旋体がもつ固有の捩れ数(twisting)と
2本のストラップが頂点での相互結合のために、
互いに捩り合うストレス(linking)が発生し超螺旋体となって現れる。

二重の螺旋(twisting)に加えて、構造全体の捩れが起こる。
この構造体のねじれが内部と外部を形成する超螺旋体となる。

プラトンの正20面体状のKAJIKAWA Bandは、エンドレスな縁によって
内部と外部を形成する最小限の超螺旋構造である。

選ばれなかった自由

誰にも車やPCを選ぶ自由がある。
しかし、21世紀になっても
住居に関しては経済的な理由から
選ばれなかった自由の方が圧倒的に優勢だ。

さらに、住居を選ぶ自由はインフラで制限されてきたが、
テンセグリティシェルターは
もっとも経済的に、健康的に、
そして望むならば、
移動しながら住む自由の中に選ばれるだろう。

すべての多面体はKAJIKAWA Bandに変換できる

そして、すべてのKAJIKAWA Bandは、連続した捩れたループに変換される。

正6面体状のKAJIKAWA Bandは、表裏がないばかりか、
帯(ループ)の縁は、2本ではなく1本で連続している。

プラトン正多面体も1個のループから変換できる。

☆KAJIKAWA Band 販売開始 
シナジェティクスオリジナル教材 第2弾
https://www.tensegrity.jp

より少ない既製品で空間を構成する

惑星地球の気候の変動と共に環境を安全に制御するためには、
簡単に移動できる自律的な空間構造物が必要である。

折りたたみ傘が、環境を制御するモバイル皮膜構造物であるように、
全天候性の超軽量モバイルテンセグリティシェルターは、
絶えず変化する気候に長期間対応するための
断熱性、遮熱性、耐候性、耐久性を維持する各部品は、
すべて世界中の既製品で代替され、ユーザによって交換可能になる。

すべての機能は、より少ない構成部品から構成されるべきだが、
より少ない既製品で構成することは、もっとも困難なデザインである。

モバイル・テンセグリティシェルターのすべての構成部品は、
世界中の既製品から構成される。
それは92の元素の相互結合の組み合わせよりも困難に違いない。

マルセル・デュッシャンが便器にサインしたように、テンセグリティシェルターは複製される。

2重螺旋ループ(KAJIKAWA Band)

☆KAJIKAWA Band 販売開始 
シナジェティクスオリジナル教材 第2弾
https://www.tensegrity.jp

捻れによって2mもあるDNAの2重螺旋ループは縺れない。
同時にその捩れが2重螺旋を複製するためだとしたら。
「閉環状DNA構造も捩れたループ」であると考えたのは、
表裏のない捩れたKAJIKAWA Bandを発見した後だった。

人々を説得するためのデザインよりは、
主観的な経験を統合する行為は
先見的な構造をデザインした自然に接近させる
シナジェティクスの方法にちがいない。

KAJIKAWA Band(プロトタイプ) 
捩れたループ(Twisting Loop)から変換された4面体構造
グラスファイバー、制作 シナジェティクス研究所、1989年  

KAJIKAWA Bandの発見

☆シナジェティクス教材 KAJIKAWA Band 販売開始
https://www.tensegrity.jp

一つの円は、360°である。
二つの円は、720°で統合されないように互いに干渉する。
ロープを使用して、連続した2つの円を描くことができる。
一つのノット(瘤)の内角は、360°である。
連続的に二つのノットを形成すれば720°のノットが可能になる。

私は、2つのノットの始点と終点を結合して
物理的に統合すること(linking)に挑戦したのである。

正4面体の内角の総和は、720°である。
1989年、ついに正4面体の各稜線を中央線で切り離すと、
連続した捻れた(twisting)一つのループに還元されることが発見された。
また、二つのループを連続させて規則的に捻れた一つのループから、
一つに統合された正4面体に変換できることも実証された。

KAJIKAWA Bandは、
ノットが他のノットまたはノット自体を消滅させるための新たな空間構造である。

KAJIKAWA Bandは、正4面体状ノットに変換されたトポロジーモデルである。
KAJIKAWA Bandは、外部と内部を形成する最初の720°のノットである。

正4面体状のKAJIKAWA Bandは、表裏のある捩れたループ(twisting loop)に内在された
表裏のない初源的な最小限の捩れ構造(primary twisting structure)である。

表裏がない捩れ構造におけるシナジェティクス・モデルの生成