航空機の安全性は、より軽量な構造の方が安全である。
その結果、経済的に飛行できる。
人間が製作するすべての建築構造における構造の定義は
テンセグリティの発見まで存在しなかったことが分かる。
細胞の概念とその構造が顕微鏡が発明されるまで
存在しなかったように。
そして、航空機も細胞も、生存率を向上させるために
より軽量にデザインされている。
細胞の自己増殖の過程では
テンセグリティ構造なしでは、細胞分裂時の経済的な自立性を
確保できない。
「テンセグリティ」カテゴリーアーカイブ
自然の構造
圧縮力と張力の統合過程において
それ自体を超えるどんな目的も形成しない
テンセグリティ構造は
その統合自体が目的なのだ。
圧縮力と張力は、この自然の構造から見れば
非鏡像的で相補的で分離できない部分であり
どの部分からも全体のシステムの機能は推測できない。
地震
強い地震は構造を弱めるが
テンセグリティをより強める。
圧縮材が不連続だからだけではない。
外力分散によって
動的均衡がより強く維持できるからだ。
幸福な構造
不幸な人々が、より不幸な出来事によって慰められるように
圧縮材は、さらなる圧縮材によって補強され
構造はより重くなる。
全体は部分の集積から類推されやすくなる。
張力材は、さらなる圧縮材の省略によって
圧縮材をより統合し
構造はより軽量化される。
部分の集積から全体は形成されない
<非物質化(ephemeralization)エフェメラリゼーション>を具現化する。
幸福な出来事が、さらなる幸福な行為によって
幸福を忘れるように。
ユニバーサルジョイント
テンセグリティは
ジオデシック構造とそのパターンの探究から生まれなかった。
バックミンスター・フラーによる
ユニバーサルジョイントの動力学的な構造とパターンの
分析から生まれている。
多軸ユニバーサルジョイントが発明された時には
回転角度を変える動力伝達のための革製の可撓的な結合部品があった。
角度変化の耐える可撓的な結合部品を張力材と見立てた時
圧縮材が不連続なオクテットトラスの
最初のテンセグリティ構造が発見されたのである。
ジオデシック構造を閉じた球状テンセグリティに変換したのは
最小限のテンセグリティ構造が発見された後である。
ジオデシック構造は、圧縮力と張力が分離しないまま
それらが非同時的な相互作用をしている
総三角形化した特殊な場合である。
圧縮力と張力を純粋に分離したテンセグリティ構造原理の発見は
偶然よりもはるかに概念形成のためのモデル言語の構築に依存している。
概念の死
ギリシア時代の球の概念は25世紀間変化しなかった。
球面上のすべての点は、球の中心からつねに等距離にある。
この静的概念から動的概念に変容したのは
ジオデシック・テンセグリティの発見からである。
球面上の隣り合う2点間距離は、振動によって
つねに統計的に一定に維持できる。
空間構造の概念を変革できるのは
最軽量化へのテクノロジーである。
球の概念
完全な球体は存在しない。
重力がある限り。
完全な球状テンセグリティは存在する。
張力と振動がある限り。
動的平均律
テンセグリティは
現状維持型の構造安定性をけっして形成していない。
構造の動的平均律がアクティブな共鳴作用を形成することによって
静的な調和と後退を免れている。
アクティブな共鳴作用は
外力を受けることによって
より共鳴作用を形成すると同時に
その増幅をより軽減することができる。
動的平均律は
均等な周波数比で分割した圧縮材の長さとその細長比とが
より破綻の少ない共鳴を得る方法とその組織化のプロセスを確立する
テクノロジーである。
宇宙の構造安定性は動的である。
最良の製品
発見とモデリングにはタイムラグがある。
たとえば、美しいモデリングにはやがて飽きるが
概念的なモデリングはいつまでも保存される。
美しいモデリングは
概念の発見の後に制作されるからだ。
しかし、最良の製品はその全てを統合した段階で制作される。
最良の製品には計画的陳腐化は起こりえない。
つねに概念の破壊による革命的モデリングが先行するだけである。
構造の証明
張力を構造に内包するには
極度に醒めていなければならない。
固体という概念からの脱出は
形態や空間の表現ではなく、自然の構造の証明であり
ダイナミックな力学的な均衡をもたらさなければ
これまでのように存在してはいけないものだ。