デザインサイエンス」カテゴリーアーカイブ

エンジニアリングとインジニアリングの統合

自律的な自己教育は「engineering」と「ingineering」の
相互作用から形成される。
エンジニアは職業化されるが
インジニアは内的な先験性ゆえに未だ職業化されない。
エンジニアリングとインジニアリングは
外部化と内部化の操作主義に関する
分割化と統合化であり
1949年のバックミンスター・フラーの「包括的デザイナー」に始まる
デザインサイエンスの全方向的な試行実験。

参照『宇宙エコロジー』包括的デザイナー 
バックミンスターフラー+梶川 泰司 著 美術出版 2004

太陽は一度も燃えていない

太陽は一度も燃えていない。
水素がヘリウムに変換される
熱核融合反応によって
エネルギーを放射する。
燃料電池でさえ、燃えていない。
化学エネルギーから電気エネルギーへの変換
は純粋な化学電池である。
現代のアウトドアは
未だ熱エネルギーを伴う燃焼の概念で覆われている。

オーストラリアのTrack Trailer
最新モデルのTvan MK5は、耐久性・走破性・居住性の追求したトレーラー
ディーゼル暖房と給湯システムのあるキッチン。

バックミンスターフラーのメタフィジックス

彼は20世紀を代表する天才である一方で、
個人のオリジナリティを否定する
メタフィジクスを備えていたと思う。
彼は一度も「デザイン」したことはなかった。
彼は「発見」しかしていない。
これはもっとも知られざるフラーの本質だと思う。
超専門化したシステムでは、
つねに局所的なオリジナリティに
こだわらなくてはならないから、
自然界のシステムの等価物を
人為的に創りだせる幻想に依存する傾向が生まれる。

ROWING NEEDLES RBF 1970
尖った方がボートの後方で、消波機能があるので高速移動できる。

シナジェティクスの方法序説

同一の現象を異なる方法で知覚することで発見がある場合、
その発見を誘導した対象に物理的変化は何もない。
シナジェティクスは先行する思考と異なる方法で思考し
同一モデルから異なる方法で知覚できる技法に注目する。
同じ巣に卵を産まない卵を見分ける洞察力の習得期間は長い。

SYNERGETICS RBF 1975
Wave, Quanta, Indigs, Unity-Is-Plural Bow Ties:
The bow-tie waves illustrate the importance of zero.
They come into phase with one another and with physics and chemistry.

宇宙のなかの人間(再考)

知的な人間は自分のアイデアの新しさについて、
独創性を得た人間はオリジナリティの教育方法について話すが
宇宙の原理の無限性については沈黙する。

人間はどんな原理もデザインできないことを知り
そのことによって
無限の発明を引き出す方法にはまだ無関心である。

宇宙のなかの人間は
人間の独創性に自惚れて生きていけない。

大気圏がなければ、バンアレン帯がなければ、
宇宙空間では被曝して1日も生存できない。

バイオスフィアのインドアへの非常口

大地に働きかけようとしなかったなら死に絶えるように、
バイオスフィアに働きかけようとする時にのみに形成される
自己のテクノロジーなくして生き延びられない。
テンセグリティ・シェルターは、
都市生活者のためのアウトドアへの新たな道具を超えて
バイオスフィアのインドアへの非常口となる。

「クラウド・ナイン」浮かぶテンセグリティ都市 
バックミンスターフラー 1960

放散虫が採用しなかったシンメトリー

イギリスのエデンプロジェクトに対抗したamazon本社「スフィア」に
ジオデシックパターンは選択されなかった。
放散虫が採用しなかったシンメトリーゆえに、
単位体積あたりの重量増加は最大級で
自然の構造とパターンへの完全否定版としての人工物となった。
火星にも裏庭にも適さない。

自然の構造デフォルト

自然の生態系が無料で生み出している生命維持のデフォルトを
人工的に再現する方法まだ未知である。
テンセグリティ・ワークショップ2019では
自然の構造デフォルトが形成されるプロセスを
45分で体験する。
テンセグリティ構造の自律性と構造とパターンは
宇宙エコロジーに属する。
http://synergetics.jp/workshop/ws190914.html

テンセグリティ構造の相互変換
形態は変化するが構造とパターンは一定
シナジェティクス研究所 制作 2006

バックミンスター・フラーとの出会いについて(再考)

感じたことをいかに隠せるかを
学ぶのは、早い時期だ。
本に書いてあることを
いかに自分の考えとして表現する技法を
習得するのはそれほど難しくない。
これらの二重性は、
群れとして生存するための
条件反射から形成される。
世界を探査するモバイラーは
テンセグリティシェルターを求める。

インタビュー;「世界を探査するモバイラーはノウホワイト(know why)と対話する」
https://web.archive.org/web/20160306171357/http://mammo.tv/interview/archives/no210.html

風に共鳴するテンセグリティ

絶えず動くテンセグリティに
美しい全方向性シンメトリーを求めるどの瞬間にも
シンメトリーを生成する構造とパターンの元型は保たれている。
気まぐれな微風が裏庭のテンセグリティを撫でる時、
シンメトリー内部に取り込まれた風は、
無数の見えない小さな渦に変わる。
外部からの無秩序の振動は
ついに連続する美しい共鳴音となる。

シナジェティクス・ワークショップ2019のための
「裏庭の共鳴テンセグリティ」
30struts-tensegrity 直径3.2m 16,5kg
シナジェティクス研究所 梶川 泰司 制作 2019