テンセグリティを学ぶには恐ろしく時間がかかる。
私はずっと学び続けている。
テンセグリティの張力調整が面倒になって
針金を使っていた愚劣な幾何学研究者(その書籍がある)がいたが、
この頃やっと張力の役割が分かってきた。
重力と基礎から完全に自律する構造を
学生に教える前に
究極の構造モデルの破壊実験から学んだ方が楽しい。
モバイル・テンセグリティシェルター 直径6.5m 2008
シナジェティクス研究所 制作 デザイン 梶川 泰司
テンセグリティを学ぶには恐ろしく時間がかかる。
私はずっと学び続けている。
テンセグリティの張力調整が面倒になって
針金を使っていた愚劣な幾何学研究者(その書籍がある)がいたが、
この頃やっと張力の役割が分かってきた。
重力と基礎から完全に自律する構造を
学生に教える前に
究極の構造モデルの破壊実験から学んだ方が楽しい。
モバイル・テンセグリティシェルター 直径6.5m 2008
シナジェティクス研究所 制作 デザイン 梶川 泰司
植物は生き延びるために
発芽する自由と
発芽しない自由を作り出した。
見知らぬ場所まで運ばれても
見覚えのある環境が現れるまでの
時間に耐えるために、
花粉はその発芽点を多面体システムに変換し、
特に大気圏を高速で移動する花粉はジオデシック構造を採用する。
テンセグリティは構造の最終形態である。
免震、制震、耐震装置は不要だ。
すべて付加的な装置で住宅を高価にさせることをだれも疑わない。
航空機のような動く構造は建築家は設計できない。
彼らは土地資本主義の奴隷だからテンセグリティをもっと危険な構造と考えている。
免震、制震、耐震装置はすべて付加的で高額なパーツ
テンセグリティ構造はこれらの装置を陳腐化する
こどもは遊びに夢中になれるばかりか、
無心になれる遊びを探す能力がとても高い。
私にも他人を説得するよりも
黙々と仕事をする時が訪れる。
それは動機が強くなければ出来ないからではなく
無心になれる目的を発見する力が生得的だからだ。
動機が破壊されるシステムの奴隷にはその無心さがない。
こどもでさえも。
4つの面の2面角が一定に互いに交差する時、正4面体の空隙が形成される。
その空隙と相補的な正8面体の空隙も同時的に形成される。
これ以上の無垢なシステムがあるだろうか。
正4面体の空隙は静止的でも固体的でもない。
SYNERGETICS RBF 1975
Intercomplementary transformings
惑星が太陽を焦点の一つとする楕円軌道上を動く時、
ケプラーの第二法則(面積速度一定の法則)が生まれる。
観察からは発見できない原理の発見方法は知識ではない。
ケプラーの第二法則を証明できる知識は理解できるが、
その証明方法のなかに原理の発見方法は含まれない。
惑星が太陽を焦点の一つとする楕円軌道上を動く時、
ケプラーの第二法則(面積速度一定の法則)が生まれる。
ケプラーの第二法則は楕円軌道の離心率に依存しない。
モデル言語はデザインできない。
発見される以外に生成されない。
シナジェティクスモデルは
すべてモデル言語の多層的な視覚化なのである。
幾何学のように静止的ではない
シナジェティクスは時間を含む。
総三角形化されたオクテットトラスでさえ折りたたみできる。
展開型テンセグリティ構造として。
Stabilization of Tension in Tensegrity Column
SYNERGETICS RBF 1975
概念化は主観的な思考に関わる
重さのないメタフィジクスの過程にあり、
実現化は客観的な経験に関わる物質化の過程にある。
異なる相補的な過程が相互作用した結果、
統合されたシナジェティクスモデルが現れる。
観察行為からはこれらの物質化は不可能だ。
SYNERGETICS RBF 1975
最密充填システムにおける実と虚の相互変換
テンセグリティが既知の構造だと理解したり
あるいはその構造を再現できた映像を見た瞬間から
観察者の認識は閉じていく。
テンセグリティは既知の構造の定義を破壊するために
発見された原理である。
テンセグリティは風とさえも共振する。
よりシステムを安定させるために。
張力調整機能のあるテンセグリティ構造 アルミ合金製 直径3m
制作 シナジェティクス研究所 構造デザイン 梶川泰司
観察されるべき客観的な対象から
新たな構造の可能性は見えなかった。
テンセグリティは構造の最後のかたちだ。
原子核が最初の構造であるように。
浮遊するテンセグリティ構造 シナジェティクス研究所 2013年 制作
エフェメラリゼーション(ephemeralization)
重力は万有引力であり斥力としての重力は発見されていない。
テンセグリティ構造では張力と斥力が共存する。
フラーの対称・非対称のテンセグリティ構造においても
斥力が検証できなかったのは、
強力なカーボン製の張力材がまだ誕生していなかった
当時のテクノロジーに関係している。
非対称テンセグリティ構造 バックミンスター・フラー 1979