どんな細胞にもなれるが
しかし、細胞自らが初期化する<万能細胞>が発見された。
細胞の初期化とは
ips細胞のような初期化の操作方法ではなく
操作という外部のエネルギーによって
細胞が予めデザインし初期化のプログラムを作動させていたのである。
つまり、細胞のすべての可能性は予めデザインされていた。
細胞に対して<万能>という概念は
あまりに人間的すぎたのではないだろうか。
生き延びるために過去を初期化するのではなく
予測される未来から現在と過去を初期化する
自然の<デフォルト>だったのである。
——–すべての現在に過去と未来の始まりを合成するために。
生物学は<万能>に対して
なにもデザイン(あるいは操作)しなかった事実を明らかにした。
われわれは、デフォルトから
まだ抜け出たことがない未知なる内部なのだ。
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ナイーブ(naive)
天真爛漫さは表現できるが
けっして発明できない。
こどもはそれを表現の対象にしない。
天真爛漫を知れば知るほど
それから遠ざかる。
そのすべてを知ることはできない。
それは、永遠に生得的である。
余裕(マージン)
<余裕>のために人々は
危険度を分散する自由度を減少させている。
にもかかわらず、人々はより豊かな<余裕>を求めている。
実際は、<余裕(マージン)のより少ないテクノロジー>が
より自由度の高い生活をもたらすことができる。
なせなら、それはテクノロジーの本質的機能と目的だからである。
21世紀の雑用(再考)
誰でも、雑用は嫌いである。あるいは苦手である。
しかし、雑用のない仕事は存在しない。
すばらしいと感じる仕事の90%は雑用から成り立っている。
水素の核融合反応によって、2つの水素原子からヘリウムが生成され
そのヘリウムから炭素、窒素、酸素が生成される。
水素原子はこの二つの核融合反応を起こす担い手であり
宇宙全体の活動に深く関わりがあるのは
質量では宇宙全体の55%を占め
宇宙で有限な原子数の90%以上を占めているからである。
水素は、宇宙で最も豊富な元素ゆえに
宇宙の雑用をこなしている。
ありふれた雑用は、個人の統合的な仕事に深く関与している。
それゆえに、個人が宇宙全体の活動に深く関わろうとする場合
分類不可能な「環境の準備」として加速度的な雑用の増加が現れる。
この進化する雑用こそ
ロボットには代用できない仕事なのである。
雑用を職業的代行として認識しているかぎり。
朝の運動
動物行動学者コンラート・ ローレンツの朝の運動は
朝食前にお気に入りの仮説をひとつ踏みつぶして捨てることだった。
ならば、次の朝食までに踏みつぶすべき
次のお気に入りを用意できるかどうかが
日課になったはずだ。
それほどの学者だったからこそ
ある仮説の一つが偉大な発見に繋がっただけではなさそうだ。
仮説を踏みつぶす日々の運動なくして
科学的な創造性を獲得できない経験的事実を
誰かから<刷り込み>されていたのだ。
つまり、10才までのデフォルト期限までに。
自然農
農業は定住することで
生産性を拡大できる。
そして、栽培技術と共に
人間が移動したからこそ
栽培技術がより向上し
都市人口が飛躍的に増大したのである。
移動(モバイル)技術は
人間の知性を短時間に
包括的知性へと変換できる。
自然農法(稲作)は
森と共に移動した結果生まれた。
アンチ・レバレッジ
外部や内部からの力に対して
変形しない物体は宇宙には存在しない。
剛体は理想化された仮想的な物質である。
剛体力学は、数千年間も梃子(lever)という
棒状の剛体の実用性に囚われてきた。
経済でさえ、他人資本を使うことで、
自己資本に対する利益率を高めるレバレッジに夢中である。
rigid body dynamicsから
レバレッジなきtensegrity dynamicsへ
この張力の包括的な原理と実践方法については
まだ誰も科学的に教育できていない。
計画的陳腐化
日本人によるウォークマンの脳死宣告が
遅すぎたのではない。
模倣やコストダウン、製品管理で対抗する世界が終わったのだ。
計画的陳腐化は製品だけではなく
ノウハウの習得方法にも及んでいる。
知識や技術の習得において
頭が良いだけの人には不都合な世界が始まった。
続2)デルス・ウザーラーーーーLife Packingの原型
何らかの方法で自分以外の環境をデザインすると同時に
宇宙との関係性に変化を与える<Life Packing>は
21世紀の個人的な所有物の組み合わせからは構成できない。
モバイル用シェルターがまだ含まれていないのは
耐久性・耐候性・断熱性などの長期の生存機能に欠けた
アウトドア用のテントしか存在していないからだ。
極地的な用途で生まれたアウトドア用のドームテントは
軽量化を最優先にしたために長期間外部での使用には耐えられない。
最優先されるべき生活空間のテクノロジーは
大気圏という外部を未だ内部化できていない。
続)デルス・ウザーラ———-Life Packingの原型
生き残るための<Life Packing>に
人間の生存権を脅かすTPPへの言及がないのは
特許と特権に群がる
21世紀最大の秘密主義の効果かもしれない。