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エネルギー宗教

「原子力はもっともクリーンで無尽蔵なエネルギーである。」
このことに半世紀間、毎年、ほぼ5000億円の維持費を費やしてきた。
 
自己の目的を実現するために
彼らは計算づくで人を欺く。
他人に取り入るために
正義を装うことに使われてきた富は
産業を支えたのではなく
新たな巨大宗教を形成している。
核によって支配されながら
成功を追い求める奴隷たちのための。
その宗教では
テクノロジーを不誠実さを拡大する道具として教育している。

黒い雨

本当の被爆とは
被爆者に被爆の知識がなかった半世紀間だ。
爆心地から半径5キロ以内の
インフラが破壊された市街地で
多くの市民は井戸水で暮らしていた。

長寿国家

放射性核種(ストロンチウム90、セシウム137など)は
物質的な<死の灰>である。
原発再稼働を承認した国家の思考形態こそは
人間よりも、そしてセシウムよりも
長寿命の<死の灰>に他ならない。
それなくしては
バイオスフィアには存在しない
どんな物質的な<死の灰>も生成されてこなかった。

もう一つの生活保護制度

アインシュタインが発見したエネルギーと物質の等価原理を
物質的に変換できるテクノロジーの開発は
彼でさえ100年以上先だと考えていたにもかかわらず、
第2次世界大戦中にアメリカ合衆国は自国内の
職業的、非職業的を問わずありとあらゆる発明家を動員して、
核兵器を僅か数年間で研究開発し同時に実用化した背景には
核プロジェクトに関わった15万人以上のほとんど無名の発明家の
無数のアイデアの見返りに
彼らに生活費を支給する制度があった。
そのプロジェクトを実行するための最初のアイデアは
<アイデアは人間の最低限度の生活を保護したときにより純化される>ことであった。
アメリカ合衆国は核開発プロジェクトによって
最新兵器の開発と製造方法を獲得できただけではなく
アイデアを金銭に換える特許制度とその社会的理念を
もっとも少ない軍事費で一般化(=教育)できたのである。

幼年期

3.11に生まれたセシウム137(=死の灰)は
半減期から見ればまだ幼年期だ。
人間で言えば3才。
半減期に覚えた三つ子の魂は
日本列島全域で確実に生き延びる。
人間は人間以外も教育できる。
(The cesium-child is father of the man. )

新型フィルター

放射性物質を除去できる家電のエアコンや掃除機は
まだ開発できない。
製品化できるまでは
人間の肺がフィルター機能を代行する。
地上すれすれに動き回る子どもの肺は
とくに高効率である。

ジレンマ

安価なガイガーカウンターの製造工程の
少なくとも一部が
ホットスポットにある場合のデフォルトを想定すると
測定とは
場所の異なるデフォルトを
比較することから始まる。

反対称的

自然は、部分からはけっして全体のふるまいを予測できない
システムをデザインしてきたが
人類は、全体からは決して部分のふるまいを予測できない
疑似システムをデザインしてきた。
例えば、核兵器のように爆発した原子力発電システム。

準備と防止

1つの原発でさえ、地震対策と津波対策を同時にしながら発電することは
技術的に経済的にできないということが分かるまで半世紀かかったが
そのためには3つの原発が爆発しなければならなかった。
政治家にも科学者にも「準備と防止」を委託してはいけない。
だれも「準備と防止」を同時にはできなかったから。