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主観的現実

自分から見た外部は
同時的でかつ非同時的に
互いに重ならない。

福島からより遠ざかる観察者ほど
放射性が増大する。

無政府状態はこの主観性をより拡大させ
東電はそれを利用する。

自分を含む現実を変化させる方法こそが
客観的である。

さもなくば
客観的現実は
主観的現実に奪われたままだ。
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作者不明

自由への方法

彼らがもっとも怖れていることは
集団賠償請求ではなく
広範囲な放射性の除染でもなく
放射性から
遠ざかる自由だ。
そして
それ以上に
真実を求めることを妨害する
邪悪なすべてのイデオロギーの分析と
その排除方法だ。
社会を方向づけるのは、
つねに自由への希求と
それを具現化する方法の革命である。

観念

イデオロギーは
思想・行動や生活の在り方を
根本的に制約している観念である。
やがて無数の被曝者たちは
この観念を最初に破棄するだろう。
すり替えられた過去と
騙された未来だけが
残ったとしても
想像力までは被曝しないだろうと
思っているのは
イデオロギーではないからだ。

(続)放射線障害

人々はすでに無気力だ。
そして国家の不誠実を隠すために
非暴力が民主主義だと信じ込まされている。
しかし、これまでの法律家資本主義は
紛れもなく
より暴力的になることで成功してきた。
多数の被曝難民を
半径80キロ以内の
猛毒性のプルトニウムによる深刻な汚染地帯に
意図的に閉じ込めた行為は
もっとも残忍な暴力である。
そこでは
生存者への被曝医療行為さえ放棄されている。

放射線障害

母から原爆の日に何度か聞かされた
証言からも言えることは、
急性の放射線障害の外傷を伴わない
無気力と脱力感、疲労感は
被曝による組織の損傷から生じる
明らかな初期症状である。
短期間に進行する
放射線障害の医学的知識は
核分裂の物理学よりも知られていない。

吸引テロ

生存をかけた長い闘いがはじまった。
国家が被曝の拡散を合法化した以上の
残忍な見えないテロは存在しない。
お金への愛以外に動機がない
人間とその裕福な子孫たちもまた
長期的にプルトニウムの放射壊変物の飛沫を
吸引し続けるだろう。
バイオスフィアの循環する
国境のない大気によって。