ヒロシマノート」カテゴリーアーカイブ

冷却水

放射線を単純な「強さ」として表す単位が存在しないのは、
放射線は物質に対して1本だけの波では伝搬しないからだ。
物質が放射線をどれだけ強く吸収したかを示す単位のみが存在する。
被曝線量を水吸収線量で測定できるのは
われわれの細胞が水分を含みすぎているからだ。
そして
原子炉も被曝した冷却水を含みすぎている。

内部被曝

科学者はすでに
プルトニウムの内部被爆の
研究論文で忙しい。
今から5年後に
科学者ではなく、
無数の被爆者が
緊急事態の過小評価を
科学的に証明するほど
愚かなことはない。

70才の赤ん坊

プルトニウムは
自然が惑星地球内部で許した
最初のもっとも重い放射性の人工物である。
その半減期は有限であるが
彼らにつきあうには、
人類の平均寿命は短すぎるばかりか
より短命になる。
プルトニウムは1941年に生まれた
また70才の赤ん坊だ。
2011年3月、新たな赤ん坊の夜泣きで
誰一人熟睡できなくなった。

重い原子核

太陽は核融合エネルギーを引き出すために
人類のように
原子核が大きいウランやプルトニウムを使わなかった。
ウランやプルトニウムは、
一番小さい水素によって核融合を維持する
太陽では受け入れられなかった。
太陽は doing most with leastで
つねに効果的にエネルギーを発生させている。
ウランやプルトニウムのような
重い原子核は
エネルギーを放射し続けて
より安定した構造に到達するための
粒子崩壊(=半減期)しか残されないように
デザインされている。

プルトニウム・コミュニケーション

プルトニウム(Pu 239)は放射性同位体であり
時間とともに電子・陽子・中性子を
放出して原子番号が変わる放射性崩壊によって
標準原子量を定めることができない。
なぜなら
プルトニウムは第2次世界大戦以後、
人類が日々生成している
最初の放射性元素だからである。
半減期の長さと危険性が完全に反比例する
新たな日本製人工元素は
やがて全人類の体内にくまなく分布するだろう。

想像力

恐怖は
つねに無知から生まれるが
プルトニウムの恐怖は
ゆっくりと死んでいくための
科学的な想像力を必要とする。
水と空気と食料
そして時間が被爆量を決定する。
そして
この想像力を
国家に期待する国民は滅びる。

被曝DNA

これから東日本には
日米共同の世界最大の
疑似医療施設が設立されるはずだ。
この医療データのなかの遺伝子情報には
被曝者に帰属する著作権がある 。
自然界にはない被曝DNAの関する著作権料で
無数の被爆者の治療費を賄う未来が
やってきたのである。

原爆傷害調査委員会(ABCC)=疑似医療施設

戦後直ちにヒロシマには
アメリカの管理下にある「原爆傷害調査委員会(ABCC)」が設置され、
被爆者の肉体と精神の障害に関する調査研究が行われる。
このABCCのボールド型の金属施設では
約数百人分以上の遺体や遺骨が集められ、
独自の医療実験に利用されただけではなく。
生き残った原爆1世、2世に対して無料健康診断が定期的に行われ
医療データが長期にわたって収集されてきた。
平時でのアメリカと日本共同による人体実験の始まりである。
これらの結果は、
放射性物質の代謝や人体内での動きの研究に利用され
戦場での放射性物質が兵士へ与える影響を予測できるようになったと同時に
放射性物質使用の武器開発に応用された。
中東戦争での劣化ウラン弾と
と次世代原発はその代表作である。
(その後、この疑似医療施設「原爆傷害調査委員会(ABCC)」の跡地には
広島現代美術館が建てられた。)
私が子どもの頃、仲間はみんな
「ABCC」のことを「ブタのケツ」と呼んでいた。
こどもの直観は的を得ている。