ヒロシマノート」カテゴリーアーカイブ

大気

人間は呼吸するために空気を使う。
空気というわれわれの惑星の共有資源を
かなり浪費的な状態に
放置してきたにもかかわらず、
大気は、宇宙や太陽からの放射線を
さえぎる役割も果たしてきた。
大気に包まれたこの惑星に
自然が許した以上に
人間は放射線を入れてはいけない。

真実

幸福になりたければ
自分にとって何が大切かを考える。
それで人の生き方が決まる
という幻想が終わる。
真実を知りたければ
すべての生命にとって何が大切かを考える。
それで未来の環境が決まる
という現実が始まる。
そして、
だれも見たことのない今を
生きるために。

生物的半減期

「プルトニウムによって発生する人体の障害を
直接実験で確かめるわけにはいかない」
というエセ人道主義が今回の被曝を招いている。
セシウムやプルトニウムが体内にとどまる時間を表す
生物学的半減期は、
ヒロシマとナガサキで
原爆投下後から開始された軍事的な放射線医学による
半世紀に及ぶ長期的な調査結果から
わかったのである。
(長崎に投下された原子爆弾はプルトニウム239である。)

非常事態

この非常事態で
もっとも重要なことは
問題を解決するためのマニュアルが
最初からなかったということだ。
われわれがもっとも危機的な失敗から
学びつつあるのも、
結局は、
犬のしっぽに散歩を依頼した歴史には
マニュアルが見つからないからである。
だからこそ、
知性を使うことを余儀なくされているのである。

(続続)電力テクノロジー

原発の放射性に関して
メディアが情報を操作するのは
優先株主の意見に従っているだけである。
そして、優先株主は電力会社が倒産しても
元金は保証されるのである。
電力テクノロジーは
<doing more with less>からほど遠い
時代遅れな金融テクノロジーである。

電気メーター

便利さ­と引き換えに命を差し出していたのではない。
第二次世界大戦の後から蓄積した富によって
自らの政治権力と石油業界の巨人がもつ権力とを結合し、
原子力計画の資産全体を〈無料で引き継いだ〉
電力産業は、エネルギー独占によって
各家庭にメーターを取り付けて
電気代金を徴収したいだけだった。
福島原発3号炉は輸出用の主力商品だった。
彼らは電気メーターのない
風力や太陽光システムの
広範囲な個人所有を妨害し続けたのである。

2重否定

「事態の推移により放射線量が増大して
避難指示を出す可能性も否定できない」
避難指示に2重否定を使ってはいけない。
生命の危機的な状況での2重否定は
権力機構の機能しなくなった
醜い文法だ。