ベクトル」カテゴリーアーカイブ

等価(equivalence)について

もっと移動し
さらに交配し
互いに価値を交換しても
70億人のほとんどが
不足から逃れられなかった場合
民主主義は
個の幻想を抱かせたまま
無数の等価物に変換され続けるだろう。
数えられない
非等価的な存在に到達しないかぎり
われわれの主権は
等価物に変換された人格や偶像に委託されたままだ。

クロノファイル

クラウドに集積される
時系列的クロノファイル(=メールの履歴以外に
スタバやガソリン代などのレシートなども含む)は
他人が自分を見るように
自己を対象化する最初の記録方法かもしれない。
自己とは
先験的に明白ではないなら
記号言語による脳内探査の有力なツールだ。

同化作用

同じ食料品を食べ続けると
危険な内部被爆を受けやすいように
同じ人間と毎日会話するのは危険な同化である。
しかし、もっとも危険な同化は
自分との対話である。
互いに似ないように移動することは
信頼できる自然選択だ。

黒体放射

宇宙では
黒い物体は外部から入射する光・電磁波などの熱放射など
あらゆる波長を吸収しやがて放射する。
白い物体が明るいのはそこに光があたっている時だけである。
黒いエコカーを購入するユーザは増えているが
特に寒冷期の放射冷却によって
車体の色彩は暖気運転や夜間の暖房の燃費に
直接関与している。

続)シナジーvsハイブリッド

有限な地下資源から変換する
もっとも危険なエネルギー生産手段を放棄するためには
これまでのように発電したエネルギーを
バッテリーで保存するよりも
主に水素エネルギーで保存する方法革命が
これまでの方法を短期間に退化させて
人間をもっとも発展させるだろう。
水素は宇宙のどこでも
もっとも豊富なシナジー型元素だから。

消しゴム

間違いから学ぶ時間と学ぶ手段を
思考する経験がなければ
失敗の履歴まで削除する習慣が生まれる。
この初期化の習慣こそ
間違いを<消しゴム>で消す
子どもの時からの学習方法から生まれている。

相似について

貧乏人は金持ちに憧れている。
金持ちはより金持ちの真似をしたい。
金持ちになる欲望が
互いに似る方法を作り出している。
こうして格差社会には
退屈さの格差がなくなるのである。

頭脳vs知恵

知識は頭脳的に生成できる。
知恵は真実からのみ生み出される。
あらゆる知恵は
先験的な知恵の存在を暗示している。
現在の知的産業教育は
知識を頭脳的に増大させているだけである。
知識は群れとしての人間を頭脳的に支配できるから。

独創性について

1960年代のサイバネティクスにおいて
独創的な問いが
人間だけではなくコンピュータからも
つねに予期しない<干渉>によって
生み出されることが発見された。
<干渉>こそ、社会全体が日常的に排除してきた
無数の解読できない<出来事>であり
予期しない新しい<構造と意味>が潜んでいるのである。