裏庭から都市に移動して仕事をしていると
都会人が水と食料とエネルギーを買うことが奇異に見える。
湧水と焚火で調理できないことを不満に思ったからではなく、
私にとって外食とは、
家庭以外で食事をとることではなく、
天気のいい日に外で食事を作ることである。
太陽から遠ざかる閉じた空間の内部で
食事を作るかぎり内食である。
7月4日は、楕円軌道面に存在する人類の遠日点
裏庭から都市に移動して仕事をしていると
都会人が水と食料とエネルギーを買うことが奇異に見える。
湧水と焚火で調理できないことを不満に思ったからではなく、
私にとって外食とは、
家庭以外で食事をとることではなく、
天気のいい日に外で食事を作ることである。
太陽から遠ざかる閉じた空間の内部で
食事を作るかぎり内食である。
7月4日は、楕円軌道面に存在する人類の遠日点
モバイラーほど誰かと繋がっている。
真のモバイラーなら
全天候性の自律型テンセグリティシェルターで
太陽系の誰かの裏庭に静かに住むだろう。
無為自然に接近するために
水とエネルギーと食料を自律的に生産するシステムは
それ自体劣化し難い。
人間以上により無為自然と繋がるだろう。
無為自然とは、
Doing more with less から
Doing everything with nothingへのプロセス。
火星のモハベ・クレーター(NASA)
母さんはエプロンが嫌いだった。
そんな時間に帰れなかったから。
父さんはバスが嫌いだった。
もっと早く帰れる場所があったから。
その同じ場所で
僕は化石と縄文土器、
そしてシダと胞子を集めていた。
どんな癖よりも裏庭よりも
古い記憶だから。
早朝は裏庭のカッコウの鳴き声で目が覚める。
裏庭の高い樹で鳴くからとても騒々しい。
そっと窓を開けてもすぐに飛び立つほど鋭敏だからこそ、
カッコウは直接巣を作らないが、巣の持ち主の卵よりも
早く孵化(Hatching)するようにプログラムを
ハッキング (Hacking)したのだろう。
巣から脱出する替わりに巣の所有欲から
人間の住宅は銀行によってハッキングされやすい。
父は私が生まれるまでに30回以上引っ越ししていた。
水と空気、食事と日々の新しい出来事、そして
テンセグリティ・シェルターがあれば
100回以上は愛する家族と一緒に
モバイルしただろう。
彼が亡くなる前に私だけに言った言葉が
私の現実になる。
モバイルとは生きる環境を選ぶ能力のことだ。
どの生物も移動して生き延びる。森でさえ。
レッドウッド
より多くを知る方法は
より深く理解する方法ではない。
理解は知識自体にはなく
経験と経験との隠れた関係を発見する行為から生まれる。
鳥よりも魚よりも樹木よりも
より大きなパターンが動く
岩石とのミュート・コミュニケーションに
教師はいない。
止めた学校に一度も行ったことがない。
よい子が学ぶ方法を教える教師から
何も学ぶことがなかったのが理由じゃない。
暗い朝にコウモリがどこに帰巣するのか、
超音波で飛行する生物を
どうやって無傷で捕獲する方法に無関心なまま
滑らかな見えない壁に囲まれる内部から
逃亡する本能に目覚めただけ。
コウモリは哺乳類の20パーセントを占める
コウモリはアフリカやアジアでは貴重な食糧
フィリピンオオコウモリ
大気圏外宇宙への移住には
水と食料とエネルギー、そして住居を安全に確保する
テクノロジーが必要になる。
一方、最後のバックパックによって
裏庭がもっとも身近な小さな惑星になる。
富裕層がこの小さな裏庭の「宇宙の富」を見捨てた時、
アウトドアはもっとも高価で危険な大気圏外に移行したのだ。
最後のバックパックはインドアへのトリムタブだ。
世界初のプロトタイプ
モバイル・テンセグリティシェルター 2008
直径6.5m 重量30kg 構造材はすべてカーボン製
シナジェティクス研究所 制作 構造デザイン 梶川 泰司
70年代からのR.B.フラー研究所に
研究員として入るのはかなり難しいことだった。
彼が研究した後に草木は何も生えないから、
天才のまだ着手していないシナジェティクスを
探求していなければならない。
私がそれを知ったのは彼が亡くなった後だった。
無心さはその生成方法からは生まれない。
無心さはある種の無知から生まれる。
熟考(Consideration);
星(sider)と星との未知の相互関係の発見に、
既知の知識量はほとんど関与しない。
テンセグリティを学ぶには恐ろしく時間がかかる。
私はずっと学び続けている。
テンセグリティの張力調整が面倒になって
針金を使っていた愚劣な幾何学研究者(その書籍がある)がいたが、
この頃やっと張力の役割が分かってきた。
重力と基礎から完全に自律する構造を
学生に教える前に
究極の構造モデルの破壊実験から学んだ方が楽しい。
モバイル・テンセグリティシェルター 直径6.5m 2008
シナジェティクス研究所 制作 デザイン 梶川 泰司