e・食・住(energy-food-shelter)」カテゴリーアーカイブ

矯正する空間

住宅の空間機能は人間の意識を
矯正する空間になるばかりか
精神病を発現させる可能性が高い。

仮設住宅でその隠れた機能は
短期間に、そして
最大限に現実化する。

本来の空間機能は
物事の在り方に気づき、同時に自己との関わりを向上させる。

自分を住み家を、自分で作り出し
自分で管理し、修理できない哺乳類は
人類だけである。
住み家制作を専門分化し、その所有のみに従事したのは
怠惰に矯正された結果である。

これまでの住宅の空間機能に
エネルギーと食糧、そして水の包括的な再生装置が
まだ組み込まれていないのは、
意識的な進化を自負する哺乳類としては、もっとも不完全で
不健全である。

徐々にではなく、つねに急激に

宇宙の原理の発見によって
産業の次に経済が、経済後の政治によって、
それまでの人々の生活水準に関する種々の制限を
徐々にではなく、つねに急激に突破してきた科学産業史を
政治は無視していることで政治は成立する。

人権や自由は、
エネルギーや食糧と同様に、工業化の諸段階において
徐々に制限されるべきだなどとは
企業にも政府、そしてメディアにも言えないのだ。

消滅する空間と<動く構造>

活断層の上で振動し続け、その亀裂共に
引き裂かれ倒壊する無数の家屋を
この20年間で少なくとも3度も経験しながら

家屋はもはや圧死の脅威のもとで
生活するより他はない空間なのか。

全人口は、不動産ではなく
生命のための新しい<動く構造>を見出さなければ
消滅するように運命づけられていると
考えるべきである。
———-動くバイオスフィアと共鳴するように。

e・食・住(energy-food-shelter)の
生存するための三大要素は
固体的不動産という
非科学的な概念の妄想に幽閉されたままだ。

階層化(hierarchization)について

原子核も、そして宇宙も
階層化(hierarchization)された
構造とパターンを形成する。

宇宙に於ける階層化は
非人格的な統合力によって自己組織されるが、
学校に於ける階層化は、個性化という分断によって組織される。

たとえば、成績順による単純な個性化(classification)などによって
成功した集合体(クラスター)では、
危険に対して義務的な同一性を求め、処罰を受ける能力が形成される。

学校における階層化は、個性化を目指す過程で引き起こされる
集団化(collectivization)の回避にあった。

そして集団化の回避によって、対話能力の著しい劣化が始まる。

集団化の回避は、自然災害に対しても
危険地域からの主体的な移動能力までも劣化し
無常観で対応する人々の傾向は
処罰を受ける能力の延長なのである。

自由からの逃亡生活は、
先験的な<生存テクノロジー>の退化を伴う。

4つの無のテクノロジー

大災害時に破壊された都市のライフラインが修復されるまで
無管(有管から無管に、つまりバイオトイレ・風呂を含む複合発酵による水の完全再生)、
無線(有線から無線に、つまり、太陽光発電や携帯電話など)、
無軌道(軌道輸送から無軌道輸送に)、無柱(体育館などの軽量構造物の避難所)の
<4つの無のテクノロジー>に依存しないかぎり
生命は安全に維持されない。

都市のライフラインは、真の生命維持装置ではないのである。
平時における大企業と国家のための課金装置である。

軍隊の給水車や移動トイレ・風呂、大型テントなどは
まだ戦争機械の一部(=兵站線)でしかない。
公共インフラという社会資本は、
依然、宇宙資本(=宇宙テクノロジー)とは無縁である。

宇宙での移動のためのすべての道具と住居は
無管、無線、無柱、無軌道のテクノロジーを前提にデザインされている。
ライフラインの宇宙工学から
住居を包括的にデザインするのは、デザインサイエンスだけである。

住宅の終焉

住宅の終焉がやって来た。
震度7を複数回受けると
崩壊または、使用できない住宅から構成される都市は
生命の安全と発展を保障しない高価すぎる物質で溢れている。

都市の空間が建築空間によって開かれた場であるとするなら
そして、
構造がもはや望ましいものとして存続できないとしたらなら、
都市は消滅してしまうかもしれない。

自然が望む構造は、角度と振動に満ちている。

都市と農村における
人口のみの分散と集中の政治的経済的手法は
地震によって幾度も陳腐化されているのだ。

移動しながら生存するテクノロジー

移動しながら生存する軍事テクノロジーは
武器製造技術と相補的な兵站学を形成したが
デザインサイエンスでは
生活器製造技術と相補的で自律的な
エネルギーと食料の生産技術に転換される。

大規模災害では
エネルギーと食料の自律的生産技術が
軍隊も含めて完全に枯渇していることが明白になる。

軍隊は外部から常に支援される条件のみで内部を支援する。
移動する自律的内部はけっして形成しない。

地下資源に依存し独占するシステムに
敵対するテクノロジーを形成しやすいからだ。

美しい皺

<構造>という一見単純で身近な言葉の背後に隠れている不完全さを
一つ残らず解放しなくてはならない。
その瞬間的な崩壊によって、人々は圧死してきたのだから。

地震の周波数によって瓦解する脆弱な仕組み以上に
振動を拒む傲慢で虚しい概念によって
維持されたその不完全さは、
構造安定性に対して無数の思考上の断層を形成しているのである。

それに対して、自然の断層は剪断応力が岩盤の強度を上回った場合に
岩盤が割れてエネルギーの分岐点である断層が生じる。

岩盤を割ることによって、地震のエネルギーの一部を解放する断層は
圧縮応力と引張応力のいずれかまたは両方によって形成されるのである。

すべての断層は、バイオスフィアのエネルギー計算によって
動的均衡を形成している。

本来は、バイオスフィアの表皮の美しい皺なのである。

生きて動く老化なき皺なのである。

生活器(シェルター)の無料化

「家の中で過ごすことはできない」
「雨だけしのげればいい」
「屋根があるだけでもありがたいんだ」
地震から3日目を迎え避難者の言葉を
再び聞く側になった。

国家による無意味な数々の経済的独占行為を承認する政治的改革は
大災害から誘引される貧困を根本的に解決できないばかりか
大災害を経験した個人が
受動性の否定をどれほど極限化しても
サバイバルの独自性と自律性は獲得できないかもしれない。
税収奪の手段と化した都市のインフラシステムと絶縁しない限り。

大災害を何度繰り返しても
国家に災害救助に関する
基本的な生活器(シェルター)に関する
テクノロジーの解放はどこにもない。

バイオスフィアと調和する科学的な生活器の無料化への
メタフィジックスは、まだ何処にもない。

沿岸部文明

お金を稼いだ結果、喜びをとても遠くにまで探し求めなければならない。
火星計画は、ひとつの答えだった。

より幸福であるためのモバイルは
重要な遺伝子の複製の結果だが
デザインサイエンスは
大気圏内宇宙へのモバイルで十分である。

80%の人々はまだ沿岸部で
生まれて死んでいる。
沿岸部文明の人生は、まだ静止的で固体的である。

エネルギーと食料の生産技術を奪われたインターネット社会は
閉ざされた行動力の代用品にすぎない。