スタジオの庭には最近モズが規則的にやってくる。
モズはいろいろな鳥(百種の鳥)の鳴き声を
真似た複雑な囀りができるので
百舌鳥(モズ)と呼ばれる。
そのモズがカッコウに真似て托卵することもある。
しかし、そのカッコウもまた体温変動が大きいので
他の鳥に托卵するらしい。
そうなると、体温変動がより少ない他種に抱卵させる習性は
百舌鳥の場合にはまったく説明できなくなる。
体温変動は自然淘汰の結果なのだろうか。
進化と漸進的変化はつねに混同されている。
「e・食・住(energy-food-shelter)」カテゴリーアーカイブ
周期について
自然には習慣は存在しない。
自然には周期がある。
人間は自然の異なった複数の周期に調和できなかったので
人間は無数の習慣を発明した。
<構造とパターン>の発見を鈍らせているのは
習慣が構造なきパターンの反復から成立しているからだ。
「既製品を使え!」
バックミンスター・フラーは、唯一命令形の言葉を残している。
その命令を完全に遂行したプロジェクトはこれまで存在しなかった。
その理由は彼でさえ、完全には成功していかなったという事実で十分だろう。
しかし、工場から出荷されたままの<デフォルト群>が
21世紀の予測的デザインサイエンスによって生み出される
<トリムタブ>の完全な構成部品になる可能性は
バックミンスター・フラーの時代よりは比較できないほど高まっていた。
異なった複数の既製品を矛盾なく統合するには
既知となった機能との葛藤や
新たな用途開発への混乱をもたらす断片化と
頻繁に闘わなくてはならないだろう。
葛藤や断片化はデザインの不足よりも
関係性の発見の不足から生じているからだ。
産業化における量産とは
原寸大プロトタイプという原型の再生産であるが
量産された既製部品からなる
デザインサイエンスの<トリムタブ>においては
もはや構成部品のいかなる複製も不要になるだろう。
<トリムタブ>では
重さのない新たな機能が複製されるだけである。
その機能はどんな既製品の個別の機能からも予測できなかった
包括的システムから生まれる。
エネルギー、食料、シェルター
バイオスフィア内で都市部に定住する人類はより増加している。
火星移住計画は準備されてきたが
バイオスフィア内で25年間も頻繁に移住できる
シェルターはまだデザインされていない。
新たなシェルターが現れるには
ライフスタイルの選択からではなく
古い概念がすべて終わらなければならない。
バイオスフィア移住計画には
分離または隔離しても自律できる
エネルギー、食料、シェルターの個人による
製造方法の確立が必要だ。
われわれは再び生産者になるのである。
抑圧空間
建築の空間構造とそのデザインが
どれほど人間の精神に影響を与えているかという心理学的研究は
贈与経済学が経済学から駆逐されたように
あまりにも現実的すぎて禁止されているように見える。
病院や老人ホーム、学校やオフィス
そして、仮設住宅の建築空間でさえ
人間を昼夜を問わず手っ取り早く抑圧できるからだ。
意図的に陳腐にした空間デザインだけでなく
モダンに見せかけた空間でさえ
人間の思考を効果的にコントロールできる。
そもそも、上下水道と電力ネットワークに
常時繋げるだけでも十分なはずだ。
人工甘味料
糖質ゼロにするためにスクラロース(ハロゲン化合物)が
ビールや清涼飲料水に、
アスパルテームがアイスクリームやミント・ガムに配合されている。
これらの人工甘味料は体外に排泄されるだけで
血糖値やインスリン値に影響を与えないがために
癌の発病率の上昇が統計的に認められた科学研究のことなど
だれも気にしていない。
生物サイクルで蓄積される可能性がきわめて小さいのは
親水性によるが、その発癌性が低いこととは無関係だ。
健康管理上、糖分を排除したがる健康志向から支持されているのは当然だろう。
プルトニウムでさえ薄めれば気にしないのだから。
食べる化学物質による加速度的な群れの形成は
マーケッティングのもっとも忠実な成果だ。
高速道路の安全率(Safety Factor)
高速道路または国道内で
車が積雪で埋もれ物流が止まった主要原因は
予測を超えた豪雪や密度の高い雪質だったからではない。
都市間のほとんどを互いに張り巡らし
つねに整備された高速ネットワークが
基本的に2車線しかなかったからである。
日本以外の20世紀の先進工業国の高速ネットワークは
すべて3車線で設計されてきた。
危機的情況での移動し分散する自由度が
3車線目にあるからである。
設計技術的な無知によって
不確実性がより増大しているにもかかわらず
半世紀ぶりの気象異変という不確実性を信じ込まされている。
そして、構造のマージン(余裕部分)を無視した
擬似的な安全率によって
人々は移動中に凍死または餓死しかけたのである。
自然食
食べ物が内部に取り込まれるまでに
食材の選択やクッキングにかなりの知識を使う。
しかし、それらが外部に出ていくまでのプロセスには
ほとんど知識を使わない。
自然は液体や気体に分離するときの無数の問題を解決し
それらを他の化合物に再結合させるときは
さらにとてつもない方法を解決している。
自然食と言われる玄米食でさえ、専門分化した名詞にすぎない。
アンインストール
自然は緊急時に安全側に作動する
生得的なシステム(fail-safe)をデザインしている。
そして、われわれにはあらゆる種類の代替回路が与えられている。
緊急事態がなければそれらの能力は日常的には使わない。
しかし、学校に行けば
自律的に学べる自己学習システムが発動しない<教育システム>が
考案されてきたように、
あらゆる種類の緊急事態の認識を妨害する
日常化のための<システム>が起動して
ほぼ3年が経過しようとしている。
安全側に作動する生得的なシステムをアンインストールする
心理学的テクノロジーが公然とインストールされている。
死
昨日までの玄米と野菜との
生化学的反応が静止する時
生命の一時的なビークルが破壊される。
そのビークルは永遠に課金されない
重さのないシステムだ。