情報はため込むのではない。
吐き出すのだ。ハードディスクの外へ。
ハードディスク内の情報を劇的に減少させる唯一の方法は原理を発見することだ。
これは新しい秩序がもたらすイニシャライズだ。
秩序によってあなたは確実に軽くなる。 Y.K
「e・食・住(energy-food-shelter)」カテゴリーアーカイブ
情報エントロピー
情報には重さがない。
しかし、理解しないで何でもため込んでいると、
ハードディスク内のエントロピーは増大するばかりだ。 Y.K
ロハスと環境デザイン
1990年代に登場したロハス(Lifestyle of Health and Sustainability)は
地球規模での環境や人間の健康を最優先するライフスタイルを浸透させてきた。
ロハスは、できるだけ電気を使わない非電化スローライフがエコロジーだという思考を生んだ。
しかし、環境や人間の健康を最優先できる人類は、北半球にのみ集合している。
朝陽がさして霧が発生するとき大気圏には2種類の気体が発生している。
水蒸気を囲んだ雲と雲でない気体部分である。
これらには温度差があるので電位差が生じる。
このゼーベック効果による電位差が激しいときには雷となって蓄電された雲は地上と放電する。
ループに電流が流れ、磁場を発生させる大気圏という流体をはじめ、バイオスフィアは非電化ではけっして運営されてはいない。
いちごの果実(花托)内部にも野ウサギがジャンプするときにも微弱な電流が流れている。
バイオスフィア自身のライフスタイルはスローライフでもファーストライフでもない。
いちごや野ウサギはライフスタイルを選択しない。
彼らは選択しないことで生存している。
人類だけが産業革命毎にライフスタイルをデザインしてきたが、
絶滅の危機を回避するための方法をこれまでのようにライフスタイルに求めるのは
統計的には、もっとも短命な非エコロジー的行為である。
21世紀の人類のライフスタイルは環境デザインの結果であって目的ではない。 Y.K
ゼーベック効果
2種類の金属の両端を接続し2つの接点間に 温度差を与えると電流が流れる。
暇森と忙人
人間が数百万年かけてやっと破壊的なほどの無駄遣いを覚えたのに、森の広葉樹は四分の一世紀おきに伐採すればまたすぐに生えてくる。
自然はなぜ、再生というお金のかからない方法をわざわざ繰り返しているのか。
「忙しくて時間がない」モバイラーと違って、森は時間を自ら生成する。
この時間にほとんどの人間は耐えられないようにデザインされている。例えば年輪だ。人間はこんなにじっとしていられない。 Y.K
観察者
森は今日も雲に覆われている。
あるいは
霧は今日も森から生まれている。
どちらも正しい。
迷うことはない。雲と霧は同じプロセスを意味している。
問題はあなたが今どこから雲あるいは霧をみているかである。 Y.K
ハイパーハイブリッド
雑草の種にも天然の淡水資源と同じような「価値のパラドックス」が発生しないと誰がいえようか。
天然水は有用だがガソリンのように高価になったように、雑草の種が無用であったときは安価ですらなかったが、除草剤や化学肥料に変わる役割が認識されたとき、タダのタネではなくなるのだ。
雑草と稲作は一種の共生関係にあるという自然農の発見こそ地下埋蔵資源を独占してきた権力構造が開発した農業テクノロジーと深く対立する。
しかし、この対立こそが都市と農村が共生する前に発生しなければ、小さなペットボトルに入れられた自然採取の複数の雑草の種(これが真のハイパーハイブリッド)は、やがて家庭菜園のオークションで売られていくだろう。
稀少価値は、使用価値に基づいた資本主義の源泉であるが、天然水や雑草のタネは商品に投下された「労働量」とは無関係に自然界という無人工場で自然エネルギーを100%再利用しながら完全自動生産されている。
この矛盾を解消するのが自然資本主義なのであるが、どのタイプの資本主義も惑星地球のエコロジー基本システムの開発に関与した歴史はない。 Y.K
ユビキタス桃源郷
高齢、過疎化で中山間地の農地が荒れるというのは科学的ではない。
農地は雑草によってより豊壌になっている。
休耕田は稲作により優位な環境を整えている。
高齢、過疎化の農村は、電子的格差社会が偶然に用意した自然農革命のためのプリセッション(副作用)である。
ブロードバンドがなくとも他に求められないほど希有な気象と地理的条件によって、無農薬自然農米と野菜だけで生活できる場所に感謝しよう。10年以内に330万世帯が住まう中山間地がユビキタス桃源郷に接近することは科学的に可能である。
不耕起自然農によって水田稲作という農耕のメカニズムにこれまでない大変革が生じている現実をみれば、もはや自然農理論の探査段階ではなく、生産者と消費者による相互理解の段階になっている。
それを阻んでいるのは稲作に対する間違った数千年の絶えざる刷り込みではなく、人間が雑草に対する敵意を抱くための雑草という植物に対する無知だけである。
この無知の維持には、毎年膨大なコストが使われている。
このコストには、枯れ葉剤を開発し除草剤に転用する軍事費なども含まれている。 Y.K
流体地理学
都市はエネルギー、食料、住居のシントロピーから遠ざかることで成立している。
日本のほとんどの都市も海のそばにある。
都市はエネルギー、食料、住居のエントロピーの出口で人間を抱擁することを覚えたのだ。
私は直感ではなく直観的に生活する入り口を見つけるために海ではなく森のそばに棲んでいる。
しかし、私以外にたいした変化は見られないので、友人は古典的エコロジーと言っているが、
真の森は人間を排除している事実を知らないでいる。
森林浴が健康にいいのはせいぜい里山という人工林だ。
真の海は人間を排除している。
真の大気は人間を排除している。
どこに住もうが、すべての矛盾を川へそして海に大気に流しているのだから。
入り口はもう僅かしかない。
これが私の直観だ。 Y.K
カメムシと昆虫ビジネス
越冬のために晩秋には種々のカメムシが飛来する。
山間部にある私の家に種々のカメムシが多数飛来する背景には、黄色光や近紫外線を出すライトがあるだけではなく、暖房によって赤外線を放出している以上に、何か最適な環境条件があるにちがいない。壁の色が茶色く見えるほどに密集したときから、私は彼らの行動を記録している。日本ミツバチの観察と同じように。
チャバネアオカメムシの場合、産卵は5月下旬頃からで、産卵場所はクワ、サクラ、ヒイラギ、ヤマウルシなどであるが、主たる繁殖はヒノキ、スギであり、その産卵は6月からであることがわかった。カメムシの増加は広葉樹の伐採と針葉樹林の人工林に起因している。
人間には臭いだけの迷惑千万のカメムシ。彼らは自身の発する警報フェロモンで集中したり拡散したりするが、あまりに濃度がある場合は彼らでさえ死に至る実験はペットボトルで再現できる。
ところが、ある環境下では、彼らはとても有用である。ヒメハナカメムシ類はアザミウマ、ハダニなどの微小な農業害虫の有力な捕食性天敵として近年注目されているらしい。
例えば、赤ピーマンは他の色のピーマンよりも栄養価が一番高く抗ガン作用があるので高価な野菜であることが知られているが、その赤ピーマンをハウス内で栽培する場合、人為的に数百匹のヒメハナカメムシを放飼する。
有効なカメムシ対策の農薬の化学合成も複雑だが、土着天敵昆虫の有効なメカニズムを解明する作業も複雑だ。カブリダニは、ハダニの発生を抑制し、シナクダアザミウマは、ヒラズ ハナアザミウマの発生を抑え、最終的にヒメハナカメムシに補食されるといった相互作用を生成する閉じたハウス内の<共有するシステム>の発見だ。
こうしてアブラムシを捕食させる減農薬栽培がメハナカメムシによって実績を上げている以上、専門業者がカメムシを特別に養殖させて販売しているにちがいない。
<共有するシステム>と私の家では特に豊富だということは今のところ無関係である。チャバネアオカメムと交換可能な条件が未だ発見されていないからだ。しかし、チャバネアオカメムがこれまでのようにひたすら悪臭を放つ悪玉虫ではないかもしれないことは、素晴らしいことだ。彼らは資本主義によってせん滅されるのではなく保護される可能性がある。 Y.K.
最古の昆虫ビジネス
これまで蜂蜜製造機器を人類がデザインしなかった理由は、
1リットルあたりの生産コストが膨大すぎるからである。
働きバチの体内の酵素を化学的に合成し、その働きで、
花蜜の成分であるしょ糖を果糖とブドウ糖へと変化させ、
花蜜の水分を蒸発させるために細分化した小部屋へ貯蔵し、
34℃前後という巣の中のような一定で高温の風を絶えず送風し、
はちみつへの熟成・濃縮を促進させるメカニズムを繊細に再現するプラントの設計が実現できたとしても、花の蜜をソバやレンゲなどから個別に採取する機械は別に設計しなければならない。
小型の高性能な飛行体のデザインは高度な軍事機密に相当するだろう。でなければ、花の蜜を細いナノ注射針で丹念に吸引する熟練工が、無数に必要だ。
以上がコスト計算の初期のシナリオだ。
それよりも養蜂技術による効果的な増産(花畑と共に巣箱を移動する技術)や巣別れした女王バチを他の養蜂家志望者に売買する一種の家畜化に相当する昆虫ビジネスが完成したのである。ただし、ヨーロッパでは貴族の趣味の範囲で継承されたのは、成功したハリウッドスターが競走馬の牧場を経営するような趣味とビジネスは社会的地位をシンボライズできる範囲である。
自然採取に依存したサバイバル食品には現代でも高い交換価値が発生している。
ミツバチが先験的に利用する酵素のバイオテクノロジーと花の蜜の採取方というナノテクノロジーは21世紀にも生き残っている最古の昆虫ビジネスである。 Y.K