反栽培型思考によるモバイル・バラック

緊急災害時の反栽培型思考によるテンセグリティ空間は、
土地資本主義で定義される「建築空間」と
反対称的に安価にどこでも複製されるモバイル・バラックだ。
本来の用途から予想を超えて異なる用途を開発するには
開発者はシステムからステップアウトしなければ
システムの欲望から逃れきれないだろう。

「Your Private Sky」 を理解するには
テンセグリティ空間の内部体験を待たなければならない。
直径3.5m球状テンセグリティ構造 シナジェティクス研究所制作 

テンセグリティは反栽培型思考から始まる

近隣のホームセンター巡りをしながらモバイルデザイン会議をした。
秋の裏庭のワークショップで使用する
テンセグリティシェルターの素材調達のためだ。
21世紀のテンセグリティは既製品ですべて賄える。
数学と既製品との最初のプリコラージュは
緊急災害時のテンセグリティだ。

森のない都市のシェルターは
動くテンセグリティ・プリコラージュから始まる

消しゴムがないクロノファイル

クロノファイルとは
あらゆるタイプの消しゴムを使用しない
思考の出来事のすべての履歴である。
20世紀のアプリでは消しゴムの代わりに
ハイパー言語とレイヤーが発明された。
レイヤー毎に保存される
絶えざる間違いの時間順序の
クロノファイルの単純なデフォルトは、
教育によって非選択的にされ持続しない。

消しゴムは
絶えざる間違いを現実から消去することで
間違いを外部化する思考回路を奪う

「守ることができなければペナルティが課される」のは教育ではない

思考すること、会話すること、実践すること、
この3つが調和することは滅多にない。
それらが分裂しないように生きることから
新しい発展に参加する機会は生まれる。
しかし、学校ではそれらを分断することから始まる。
日々の宿題は分断型の教育方法だ。
宿題は、子どもから自発的思考と
その喜びを奪い従順にさせる。
「守ることができなければペナルティが課される」からだ。

暇は自発的思考と自律的思考には不可欠である

最後の実験

生物学や物理学はメタフィジクスに包括される。
経験された宇宙はそのメタフィジクスを包括する。
未知は自然に包括される。
シナジーはその宇宙を包括し、未知を、さらに自然をも包含する。
科学はシナジーを超える存在を思考の対象外にした。
最後の実験を専門家に委託してはいけない。
 

『コズモグラフィー』バックミンスターフラー著 
梶川 泰司 訳 白陽社 2008

誰も責任を取らない社会にテクノロジーは存続しない

テクノロジーには、
テクノロジーの在り方を考えることが含まれている。
原子核を構成する核子を統合する核力の存在と威力を
ヒロシマで証明したが
今後数世紀間もコントロールできない。
誰も責任を取らない社会に
テクノロジーは存続しない。
すべてのテクノロジーは宇宙に属する。

3号機の爆発シーンは日本のメディアから消えた。
海外メディア(BBC)は忘れない。

風速50mの風圧に耐える住宅デザイン

沖縄の屋根は、瓦相互の隙間をすべて漆喰で埋めて
すべての瓦を互いに結合する。
さらに周囲は家の屋根よりは少し低い石垣で覆われている。
これからの気候変動に対応した
少なくとも風速50mの風圧に耐えうる
実用性に富んだ住宅デザインは
沿岸部や豪雪の寒冷地にはなく沖縄にある。

なぜ屋根は台風で吹き飛ばされるのか

沖縄では風速50m級の台風は毎年やって来る。
強風下では家の反対側に渦による陰圧が生じて
瓦や壁の隙間から雨水が吸引され、
家屋内部に進入する。
同時に、建物が風圧を受ける面以外では
風圧力はつねに揚力または負力に変換され、
残りの面に対してすべて直角に作用して
屋根全体が剥離していくから
沖縄の屋根は、漆喰で屋根瓦を相互に結合して
隙間を作らない構造を採用している。

なぜ屋根は吹き飛ばされたのか。

気候変動に対する屋根の弱さ

熊本では耐震設計に対応した新築の住宅が倒壊した。
耐震設計は真の地殻変動にはまだ対応していない。
千葉でも新築の屋根が吹き飛んでいる。
「ブルーシートで覆われた屋根の多さは
台風の強さを表した」のではなく
気候変動に対する屋根の弱さを表したのである。

台風の強さに対する屋根の弱さは
ブルーシートの数で表される。

朝日新聞映像報道部 撮影

手の機能(再考)

コウモリの飛行能力は
手の骨格と手の筋肉と皮膚が進化して生まれた。
揚力を生成する膜面を形成しているからこそ
空中で自在な方向転換ができるばかりか
その大きな手を閉じて(あるいは翼を折り畳んで)
後足だけで逆さにぶら下がることができのである。
彼らは夜間の空中を高速で機敏に移動するために
光学的な視力と後足の筋力を失ったのである。
人間の視覚と小さな手は
「思考する精密機械」として機能している。
シナジェティクス・モデリングにおいても。

より大きな手の骨格と手の筋肉と皮膚から
コウモリの翼はデザインされる