動的シナジェティクス

植物は環境条件に出会わなければ
決して発芽しないようにデザインされている。
シナジェティクスの学習過程では
成熟と休眠という生理学的変化を経由しない時、
先験的な知はけっして発芽しない。
基礎によって大地に繋がれていない
動くシナジェティクスは大地に根を生やさない。

物体が回転している時
その回転軸に垂直な平面上で物体に対して垂直な力が発生する。
こうした原理は土地測量のための幾何学を起源としない。

試行錯誤のための時間の空隙

経験を伴わない学習による理解は
情報の増加になるだけで
試行錯誤から定着されない限り
脳に貯まるゴミとなる。
貯めたゴミ量を競うクイズ番組で使われる以外、
「ゴミ箱を空にする」ノウハウは
学校では教えても貰えない。
試行錯誤のための時間の空隙がなければ、
全情報量は増加しない。
空隙とは、より加速する情報のエントロピー増加に反する
自己のテクノロジーだ。

SYNERGETICS RBF 1975
“Concave octahedra” and “concave vector equilibria” pack together to define the voids of an array of close-packed spheres which in conjunction with the convex spherical vector equilibria fill allspace.

テンセグリティ原理は「リンゴの落下現象」から発見されなかった。

無重力を知らなくとも
大気圏内で重力の在り方を経験できる。
テンセグリティモデルの
張力の働きを体験することは
万有引力の新しい理解に近いだろう。

2つの圧縮材の間に働く相互作用のうち、
引き合う力が圧縮力に変換される。

圧縮材が互いに重力を及ぼすことによって、
連続する閉じたWEB上に非連続に浮かぶ原理は
裏庭の「リンゴが木から落ちる現象」から
発見されなかった。

共鳴テンセグリティ・ワークショップ 2019
「裏庭のテンセグリティワークショップ」
http://synergetics.jp/tensegrityblog/
http://synergetics.jp/workshop/ws190914.html

SYNERGETICS RBF 1975

好奇心を枯渇させない生存方法

あらゆる事を徹底的に学び
必要に応じて学んだことを生かすことは困難だ。
興味あることを経験するために自発的に学ぶ時、
より興味を持てるように経験から学ぶことが
興味を作り出す好奇心を枯渇させない生存方法となる。
理解する方法よりも
方法を尊敬することは他人から学べない。

約1億1000万年前、カナダ西部に生息していた草食(植物食)恐竜は、
堆積物に埋もれたが、テトラ状の装甲が細部まで保存された。
「ナショナル ジオグラフィック」2017年6月号

モバイラー生活器

裕福だが車には興味がない人々がプリウスに乗る時代から
金儲けに興味がない個人が大地や大気圏と交換を始める手段は、
コンテナハウスやスモールハウスでの定住ではないだろう。
強欲な資本主義から離れても大地の収奪と汚染から逃れられない。
大気圏と相互作用するモバイラー生活器は未だ存在しない。

大気圏と相互作用する自動気象シェルターが
火星以外では開発されないのはなぜか。

前例のないシナリオ

試行錯誤のない経験は他人の経験の複製だ。
試行錯誤にはつねに時間を伴う
前例のないシナリオが副産物として形成される。
宇宙は光によってシナリオを書き換える。
光のおかげで科学者は中性子星の内部構造を初めて観察できる。
宇宙よりも簡単に時間を潰せるは映画だけだ。

NASAの望遠鏡が撮影した遠方の銀河では
中心のブラックホールの周囲を星々が螺旋状に取り囲んでいる。
(PHOTOGRAPH BY NASA/JPL-CALTECH)

エンジニアリングとインジニアリングの統合

自律的な自己教育は「engineering」と「ingineering」の
相互作用から形成される。
エンジニアは職業化されるが
インジニアは内的な先験性ゆえに未だ職業化されない。
エンジニアリングとインジニアリングは
外部化と内部化の操作主義に関する
分割化と統合化であり
1949年のバックミンスター・フラーの「包括的デザイナー」に始まる
デザインサイエンスの全方向的な試行実験。

参照『宇宙エコロジー』包括的デザイナー 
バックミンスターフラー+梶川 泰司 著 美術出版 2004

エンジニアリング=現実の問題を解決する方法

テンセグリティのモデリング自体が
自然の相似律を除外して、自己目的化したら、
構造とパターンに潜む自然の神秘が抜け落ちた
高度な3次元パズルになる。
知育玩具はしばしば内的体験を排除した頭脳用で終わる。
真のエンジニアリングの習得過程(engenious)での
現実を変える経験から内的で先験的な天才(ingenious)を呼び覚ます。

「裏庭のテンセグリティ・ワークショップ 2019 年」
 9月14・15日 開始 
http://synergetics.jp/tensegrityblog/

SYNERGETICS RBF 1975
Stabilization of Three-Way-Grid Tensegrity Sphere:

創意工夫

テンセグリティの起源は、
内的な創意(ingenious)と
外的な工夫(engenious)とが統合された次元で
はじめて物質化する構造とパターンの神秘にある。
自然を模倣しない方法が発見された。

SYNERGETICS RBF 1975
Single and Double Bonding of Members in Tensegrity Spheres:
Complex of basic three-strut tensegrity units with exterior terminals now joined.

最初の痛みのテンセグリティ受容器

近発見されたグリア・神経細胞複合体は
「皮膚の外側の層(表皮)と内側の真皮の間に
グリア細胞によるネットワークが形成され
そこから細い繊維のような突起が外側の層に伸びている」
グリア細胞が三角形状に配置された
テンセグリティの頂点(ノード)の形成こそが
最初の痛みの受容器となる。

「グリア・神経細胞複合体」ナショナル・ジオグラフィック 2019.8.20