経験は知性に対して不可逆的

物理的現象は経験できる。
つねに特殊な経験として再現できる。
知性はそれらの異なる物理的経験を分析統合できる。
その逆は不可能である。
局所的な経験は知性に対して不可逆的である。
ベクトル平衡体だけから
誰も4つの回転軸上のすべての三角形の回転運動を思いつかない。
視覚的学習さえも特殊な経験段階である。

4つの回転軸のあるベクトル平衡体 SYNERGETICS RBF 1975

水は固定的液体

消化中の消防ホースは石のように固体的に変化する。
水は固定的液体である。
水は空気に比べ圧縮性がないので昇圧できる。
水は圧縮され難いのは、
パスカルの原理「密閉容器中の流体は容器の形に関係なく
単位面積当たりの圧力をそのままの強さで
流体の他の全ての部分に伝える」
と異なる原理だ。

パスカルの原理

沈黙と振動

真の沈黙は、全体的パターンと局所的なパターンとの関係の認識によって
メタフィジカルなノウハウ体系が物理的体系に変換された直後にはじめて訪れた。
それはテンセグリティ構造を
暴風雨圏内で使用される生活器に最適化した実験時の
内部空間の広がりと静けさに相似している。

テンセグリティモデル 
シナジェティクス研究所 制作 テンセグリティ・ジョイントデザイン 梶川泰司

ジョイントの角度的自由度

ジョイントにはストラットを拘束する機能があるが
同時に角度的自由度を向上させる機能もある。
構造の安定化はジョイントにではなく構造のパターンに求められる。
ジオデシック構造の真の安定化は総三角形化にあって
重量とコストの上昇を伴うジョイントの剛性化には求めない。

SYNERGETICS RBF 1975
The geodesic spheres (D and E) exhibit “very local” dimpling as the frequency increases, suggesting much less resistance to concentrated loads but very high resistance to distributed loads.

直観を言語するシナジェティクス

私は「知識はあるが論文が書けない」
又は「経験はあるが論文が書けない」タイプでもない。
「直観を言語化できない」タイプだった。
直観の言語化には膨大な経験が必要だ。
直観的モデリングはやがて経験に変換される。
暗黒時代から逸脱する言語は
シナジェティクスの動的な直観幾何学にある。

Four-great-circle Systems of Octahedron and Vector Equilibrium: Symmetry
SYNERGETICS RBF 1975

ハリセンボンの構造とパターン

ハリセンボンはフグ目のハリセンボン科に分類される魚であり
フグはフグ目のフグ科。
前述のフグに関する私の記事はすべてハリセンボンの構造とパターンに関連した
自然の先験的なテンセグリティ構造への分析となる。

ハリセンボン
https://ctseibutsu.jp/ex/porcupinefish.html

鱗テンセグリティ構造

面テンセグリティ構造は魚の鱗と相似的な結合方法を採用した。
RANDOMEは、ジオデシックスな鱗の配置から安定した球状を維持できるが
完全にランダムな同型モジュールの配置からでも球状を形成できる。
魚は骨格と皮膚からだけで自らの形態を維持しているのではない。

Randome Emergency Geodesic Shelter

鱗テンセグリティ構造

魚類の鱗は真皮の内部に発達した骨格=皮骨であり
遂にハリセンボンの鱗は棘に変形した。
魚の鱗は相互に動く鱗は重く厚い鱗から軽く薄い鱗へと進化して、
面的なテンセグリティ構造を形成する。
水の抵抗を減衰させ迅速に移動し
水圧に耐えながら敵の攻撃から自身を守るために。

鱗は真皮が変化した骨格=皮骨