シナジェティクスの探究によって
「生命世界の非対称性―自然はなぜアンバランスを選択するか」ではなく
生命はどのように反対称性によって非対称性を回避しているのかを
説明できるにちがいない。
非対称性が均衡を破壊しているように見えるのは
あるいは、対称性が破れているように見えるのは
観察者の局所的な経験によって制限されている可能性がある。
シナジェティクスは、
反対称性と非対称性(鏡像対称性)とを明確に分離できる
シナジェティクスモデルを1981年に発見している。
反対称性のシナジェティクスモデルが発見されも
それまでの対称性の概念がまだ生き残っているのは
社会的な認識上のタイムラグではなく
モデルによる思考言語の破壊の方法にある。
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思考形式
シナジェティクスの発見を再現した
バックミンスター・フラーによる無数のモデルを研究しようとすれば
原理のより単純な理解が得られるだろう。
しかし、新たなシナジェティクス原理の発見、および
その発見をモデル化する方法は
他者の発見からは生まれない。
新たなるものは他者の経験にはなく
せいぜい思考形式の複製にとどまることになる。
信念(believe)
言葉なき未知の相互作用に出会うために
精神が自発的に担う探査こそは
シナジェティクスに他ならない。
シナジェティクスモデルは
その探査の過程で必然的に発見される。
これは信念(believe)ではない、
あまりにも非政治的なリアリティである。
複製と翻訳
道を覚えられない人が
赤い車を目印にするように
シナジェティクス原理を独自に発見できない人は
シナジェティクス・オブジェをより美的に複製している。
美的な指標にするために。
美しいオブジェを指標することは
シナジェティクスモデルを翻訳するよりも
簡単なことだ。
シナジェティクスモデルには
無数の未知な言語が潜んでいるがゆえに
翻訳に成功したモデル言語よりも
シナジェティクス・オブジェの方が複製されやすい。
シナジェティクスモデルの複製と
シナジェティクスモデル言語の転写・翻訳は、
互いに異なった行為である。
前者は形態と機能の複製が優先されるが
後者では概念の解読または原理の発見、
そしてその翻訳が優先される。
そして後者が新たな前者を生成するのである。
続)モデル言語とシナジェティクス
新しい概念に出会うために、
その概念を構成する言語を壊すことから始めるなら
新しい概念に出会う最大のチャンスがやってくるように
新しいシナジェティクスモデルに出会うために
そのモデルを構成する概念を壊すことから始めるなら
新しい言語に出会う最大のチャンスがやってくる。
モデル言語もまた
新たな言語形式を産出する生得的能力による
非物質化なのである。
それゆえに、シナジェティクスモデルは
具体性に置き換えられた存在ではない。
例えば
バッキーボールがテンセグリティに置き換えられる前に
テンセグリティが発見されていた事実を
説明できないだろう。